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今のゲームに足りない『ゲームレベルデザイン』について

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IMG_0715今のゲームには「快感」や「達成感」が圧倒的に足りていない。つまり、全てのゲームがクソゲーだということ。この原因はマンネリ化だと指摘してきたが、このマンネリの原因こそ日本に足りていない「レベルデザイン」という発想ではないか。昔のゲームはレベルデザインが為されなくとも許されていた。しかし、成熟した今の時代、それはもう通用しない。


◆ゲームレベルデザインとは何ぞや?
ゲームレベルデザインとは、ゲームの難易度やバランスを上手く調整し、その瞬間、その状況においてプレイヤーに面白い、やり遂げた!と感じさせる専門の仕事です。日本では、私の知る限りにおいて、この専門職、職人と言うのは聞いた事がありません。名作ゲームのクリエイターは皆、この能力が長けていましたが、今の時代の分業体制から言って、専門職があっても良いでしょう。極論すれば、「最高のテストプレイヤー」が職場に居ないといけないということです。

◆その職業、そういった意識があるとどう変わるか
当然、バランスクラッシャーやAボタン連打ゲーというものが減ります。
それも良し悪しでしょうが、プレイヤーが「飽きる」という事を減らすのが目的であって、マンネリがどうしたドンと来い!といったマンネリシリーズユーザーにとってはどうでも良い話です。しかし、今から面白いブランドを根付かせる為には、極上のコンテンツを提供しなければなりません。マンネリユーザーにマンネリクリエイターでは、その「鉄板」が飽きられた場合にゲーム業界が死んでしまいます。常にドキドキ、ワクワクさせるゲーム作りをサポートする専門職があれば、発案と調整を別の人間が分担できるわけですから、作業効率は上がります。また、発案者の独断専行ゲームも減ることでしょう。

◆具体的にどういう調整が良いのか
魔界村というゲームをご存知でしょうか。FC時代に私が涙した超難関アクションです。このゲームはハッキリ言って難しすぎます。しかし、それでも受け入れられたのは、単に難しいだけではなく、難しいからこそのやりがいがあった為。強い達成感が味わえるからです。しかし、こういったゲームは現代では受け入れにくいものでしょう。

現代でも多くの人がゲームと言って思い浮かべるマリオシリーズと魔界村を比べると分かり易いので、それに沿った説明をしますと、魔界村ではジャンプ後に空中で着地位置を調整できません。踏み切ったらそれまでです。これが難易度を段違いに挙げている要因です。一方マリオはある程度調整できます。踏み切った後も空中で十字キーを入れて調整する事が可能で、踏み切り位置やタイミング、着地点の具合…といった要素を左右の入力で誤魔化せます。

ロックマンなどもそうですが、こういった甘めの操作感が無くなると、ゲームがシビアになり、動かしていて爽快なアクションとは言い難くなります。勿論、クリアした場合や操作が熟練の域に達した場合はより多くの達成感が得られます。マリオのように甘めに作れば、プレイヤーは小さな達成感を何度も味わうことが出来るでしょう。この難易度の調整こそがレベルデザイナーの本領を発揮すべき所です。売りたい層をめがけて難易度を調整していきます。

◆飽きさせない工夫
難しさの調整以外にも、ワクワクさせなければなりません。そこまで行かずとも、プレイヤーを飽きさせてはいけない。プレイヤーが飽きる瞬間は私の経験から言って、

・アクションがありきたりでつまらない
・ギミックの過多、過少
・長時間操作不要で絵(画面)を見ている瞬間
・同じ動きを延々とさせられる時間帯
・やたらと暗い画面が続く
・理不尽な設定

等です。まだまだ他にもあるでしょう。特に私が意識せずに気付いたのは、このゲームは見所があるな!と思ったソフトでも、王城や巨大な街の移動といった、敵も出ない場所でひたすら特定方向に進むシーン。これが飽きさせます。私は床に落ちた食べ物を拾い上げるあのルールから5秒ルールと名付けました。3秒以内ならセーフな気がする。まだフレッシュな気がする。しかし5秒だとどうだろう。5秒間数えてみてください。延々と右側へスクロールさせて、5秒後に道具屋に着きます。ふとした瞬間に虚無感が襲うわけです。5秒待てる人でも、10秒となると辛くなるでしょう?時間の管理は盲点。ここを疎かにすると、常に飽きた自分と戦いながらのゲームになります。

パターンに入った!という時は別ですが、同じ動きを延々とさせられる「作業」もかなり苦しいものです。では、同じ動きを繰り返してもパターンにハメた時は何故飽きないのでしょうか?それは、自分でパターンに持ち込む過程を見つけた為です。既に努力に対して報酬が払われ、達成感を味わえている。難しいボスの攻略法を発見し、あっさり勝ってしまう。それでも楽しいと感じられるのはこの為です。ここでいう同じ動作というのは、強制、半強制でさせられるものです。半強制とは、他に選択肢があるように見えるが、最も効率が良いのがAボタンで敵を殴り続けるだとか、そういった物です。ただし、Aボタンで攻撃を続ける場合も、ファイナルファイトやベアナックルのテクニックであるハメパンチ(相手を1~2回殴った後振り返り1回パンチを空振りする。その後すかさず振り返り1~2回殴ると、硬直中の相手を延々と殴ることが出来るテクニック)があるゲームでは少し意味合いが違ってきます。これも報酬が払われている&技術が必要な為です。

また、暗い画面を人間は嫌います。どうやら白人に比べて我々は暗い画面が苦手なようです。海外のゲームは日本人には暗すぎるゲームが多数あり、これは人種の目の色による部分なのかもしれません。それはそれとして、人間は光に吸い寄せられます。明るいゲームは好まれ、暗いゲームは敬遠されます。暗いステージ内で敵の位置などが見えないというのがストレスを加速させるようです。暗くなると情報が減るため、単調で飽き易くなるという効果も上乗せされます。単に暗いから怖いというだけではない、人間の本能的にイヤなゲームになってしまうわけです。これは大人になっても変わらないもので、程度の差はあれ暗いステージを怖がる子供の精神は本能に働きかけ続けます。スパイス程度ならまだしも、延々と暗い世界では楽しくありません。真っ暗な洞窟と日差しのまぶしいステージとの対比が明るさや美しい風景を際立てるのであって、バランス崩壊を起こしてはいけません。ゲームの世界観にもよりますが。

理不尽な設定というのは様々な場面で言えますが、分かり易い例からすれば、処理しきれない敵の数や配置でしょう。自分はちっとも悪くないのにやられた…となってはイライラさせられます。慎重なゲームプレイを心がけさせる為に急に難易度を跳ね上げるにも限度があります。学習しながら技量を向上させるにあたり、絶壁を用意するよりスロープ程度に留め、最後に近付くにつれて階段→壁くらいの調
整が欲しいところです。覚えゲーと言われるようなアクションが面白いのは、キツい配置があったとしても「覚える」事でクリアが可能になり、自分の進歩が常に感じられるからです。難易度を上げる為にやたらと敵を配して…というのは安直過ぎてプレイヤーには苦行なだけです。一画面に違う動きをする敵は2体(2種類)まで。幾ら増やしても3体までです。これ以上になると、プレイヤーの処理能力を超えてしまいます。

◆もっと飽きさせない工夫
最近はオンラインゲームが流行しています。時代の申し子ですね。
オンラインゲームがあるという事は、オンライン環境があるという事。
つまり、オンラインアップデートが可能なわけです。オンライン対戦の為の壮大なチュートリアルとしてオフラインゲームを位置づけてみたり、発売後もふんだんに追加要素を配信して行くことで、一時的にでもプレイヤーを呼び戻し、テストプレイしてもらうことが出来ます。常にゲームを磨き上げるチャンス&ビジネスチャンスです。

ゲームの面白さを倍加するには皆で情報を共有しあうことが大切です。
多彩な情報を持ち寄ったり、互いに頭を捻ったり、一緒にプレイしたり。
そういった事を想定に入れたレベルデザインも重要です。

隠しステージや裏ボスなどといった要素が多いゲームが好まれるのは、
お得感が作用していると考えられます。一端終わったゲームは、その時点で価値が無くなってしまいます。そんな無価値だった「ゴミ」が実はまだまだ楽しめるとなったらどうでしょう。元から入っていたデータで、それに対してお金を出したのに顧客は「徳をした」と勘違いしてしまうわけです。

長く遊べるゲームはこの効果がずっと続いているわけで、それが評価を常時一定水準まで引き上げ続けています。日本で言えば「ポケモン」のような、ストーリーが壮大なチュートリアルのような対戦ゲームは、ストーリーに割かれる時間が長い方が評価を下げてしまう場合も出てくるでしょう。長く遊ばせることを念頭に置いたデザインが求められます。これは本当に難しいことでしょう。

【まとめ】
あまりにも長くなりそうなのでこの辺りで終わらせますが、ゲームデザインはキャラや音楽、ストーリーだけではありません。ゲームを面白く仕上げる仕事が必要不可欠。なので、誰か私を雇ってください。ええ。結論はこれですよ。オチもつきましたし、おあとがよろしいようで。

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