恐らく、20代中後半~の皆様、テレホマン世代ならきっと懐かしさを共有できるのではないでしょうか。あの頃はFLASH作ってたなあ…エヴァとかの。1700ダウンロードとかになって歓喜したっけ。窓ME時代に編集ソフトをえっちらおっちらイジりながら…。こういう時代を知っている人間と知らない人間とでは、オタクとしての厚みが全然違う。と最近感じるわけです。
それだけ年食ってるんだから当たり前なんですが、それだけではなかったようにも思う。
あの頃の空気、あの頃の意味。今とは違う。煽り、殺人予告(実際に起こった西鉄バスジャック事件)、クソスレ乱立…今も昔も変わらないように見えるが、そうではない。あの頃は本当にか細い物だが、一本、確実に芯があった。大衆化の波を喜び、その中で生まれ来る問題に歯軋りし、2000年頃の自分達はああでもない、こうでもないと言いあった。今のようにインターネットを、掲示板を諦めていなかった。
当時のFlashを見ると、目頭が熱くなる。単純な懐かしさではない。
クリエイティブで、夢見がちで、真面目でどこまでも青臭かった時代の鮮やかさが思い起こされ、今のくすみきった自身が恥ずかしく、涙を呼ぶのだ。
あの若々しさではない、初々しさでもない、瑞々しさでもない何か。
新時代の到来を喜び合いながらも、口にも出さず、仲間を見つける為に右往左往するでもなく。それでもどこかで繋がっていた。そんなネットが今でもあるだろうか。今思えば、あの時代、あの場所こそ桃源郷だったのだろう。自分がそれを守れなかった悔しさは、今もどこかにくすぶっているように思う。
信者、派閥、老若男女の別などよりも、ネットを使う人間同士で繋がっていた、完全に仮想化された世界を認識していなかった我々は、現実の延長としてネットを使っていたからだろうか。今の若い子は…と言う為にこんな事を言っているのではなく、私を含めた大人がネットを救えなかったのではないかと。勝手ながらに責任を感じるのです。もっとより良い何かがあったのではないかと。あったに違いないと。そう思わない為に、責任から逃れる為に、時代が変わった、利用者が変わったと吐き捨ててきた。
我々はいつからインターネットを諦めたのだろうか。