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若者の労働環境について考える

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若者の長時間労働は、国家を滅ぼす大問題といわれています。
以下に指摘されうる問題をいくつかまとめておきました。ご覧ください。


【主要な問題】
・労働意欲の減退
・医療費の増加
・少子化

【そこから派生する問題】
・高齢者をまもるための年金、医療の破綻
・日本の技術力、労働力の空洞化
・人口減少による国内市場の現象
・文化的後退

オカルトの世界のものだった、日本滅亡論が現実味を帯びてくるというわけです。

かつて、モーレツ社員だった方は、なにを甘っちょろいことをいっているんだ!
と怒られるかもしれませんが、昔のように皆が等しく貧乏であれば、
若者だって頑張れるでしょう。しかし、今はそうではありません。
親や親の親世代にくらべて、自分の世代がよくなる可能性がほぼ見えない。
希望を持とうとしたところで、社会制度がそれを許さないわけです。 
年功序列や終身雇用が崩れた今、若者を企業に隷属させることは不可能ですし、
権利がないということに気づかなくてはなりません。もちろん、法的にも許されません。

ブラック企業が不当に賃金を抑えることは、真面目に経営している企業の経営を圧迫します。
つまり、ブラック企業から出てくる商品、サービスは、「不当な廉売」をしていることに
ほかならないのです。

私は月に200時間を超える残業、時間外労働を行っていました。
1ヶ月の労働時間は420時間になることもあったのです。
月に100時間残業させられて、亡くなられた方には労災認定がなされたそうです。
つまり私は、2回死んでもあまるくらいの残業時間だったといえます。
残業代が出るからいいだろうとおっしゃいますが、残業代はゼロでした。
基本給に含まれているという考え方だからです。基本給ですか?
大学生の平均より、少々イロがつくくらいです。

こんな勤務が常態化した結果、私はストレスによる狭心症、胃潰瘍、逆流性食道炎に
かかってしまい、仕事が続けられなくなりました。結果、躁うつをやり、過食症になり、
1年で体重を20キロ以上増やしてしまったこともありました。
これでも根性無しという人はいます。
では、月~木まで徹夜で仕事をし、日付かわって金曜に家に帰り、2~3時間だけ眠って、
金曜の朝出社、それから日曜の早朝まで仕事。自宅へ帰ったのはプリキュアの時間帯。
というような勤務をやってみてください。
仕事の内容は、本を創ること。ですから、相手は常に文字です。文字を読み続けるのが
仕事となります。なかなかにこれが大変なのです。

私の職場では終電には帰れませんから、帰りはタクシーとなります。
もちろん、自腹です。月末になれば、どんなに節制していてもタクシー代が
なかなか出せなくなります。そういう場合は、徒歩となります。
JRの終電に転がり込み、自宅まで20分の距離をせっせと丘越えです。
忘れもしません。東京は王子の駅から巣鴨の北へとテクテク歩いていくわけです。
家に帰ってやる仕事を、目一杯両手にさげて。
最寄り駅でもなんでもない駅から。

私は出版業界に身を置いておりましたから、話せることは出版の話だけですが、
こういった奴隷まがいのやり方で、本はつくられ、売られているわけです。
きっと、こういった業界は少なくないでしょう。

政治家が雇用の改善と景気対策、少子化対策と叫びますが、
このままでは雇用は増えても激務は減らないでしょう。
景気対策といいますが、ばらまいたお金は若者のフトコロには収まりません。
少子化対策といいますが、一番の少子化対策は若者に子どもをつくる時間があることです。

あまり政治色のある話題はしたくありませんが、今の政治はパフォーマンスでしかありません。
バケツの底の穴もふさがず、水を注いでいるのと同じです。なぜ穴をふさがないのでしょうか。
本当にふさいでしまったら、困る大人がいるからではないでしょうか。
法律に則った企業経営をすれば、会社が潰れてしまうですとか、
残業代を払いたくないですとか。諸々でしょう。
自分たち大人は痛い思いはしたくないが、将来年金がもらえなくなっては困るので、
若者は働け、子どもをもっと産めというわけですね。
仕事の量は減らしてやらないし、子どもを産む時間も金もやらないけど、と。

この現状を打破するにはどうすればいいか、打開の策があるならば、
お教えいただきたいところです。
私のような被害者といいますか、身を滅ぼすような方が出さないためにも。

◯この記事は「しろはた速報 」さんへ提供しております

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