さんざん叩いてまいりましたこの本ですが、完全に駄目だというわけではありません。何が救いかと申しますと、それは『電波男』に触れているという点です。それを私が金箔を創り上げるかのように広げに広げて書いてみたいと思います。せめてもの罪滅ぼしに。
電波男はオタクのバイブルでしょうか?確かに読み物としての完成度は高いです。しかし、それは生き方を変えるほどの物なのかどうか。
オタは感受性に富んでますから、本田氏の生い立ちを聞けばついつい引きずられてしまう。皆さんは本田氏のような体験をされましたか?殆どの家庭ではそんな体験を味わう事はないでしょう。
私は虐待された過去があります。親にではなく、祖母に。オタになった原因もそこら辺にあるのかもしれませんが、少なくとも東京の大学に進学したのはその祖母から逃げたかったかろ。今、家で自慢の孫だと吹聴していますが、私と私の両親は祖母からの遺産相続を拒否しています。
あ、別に借金が遺産を上回ってるからとかじゃないですよ?単純に祖母が嫌いなんです。実家に残してきた両親と妹には悪いと思いますが、私はこのまま東京で死ぬ覚悟です。それだけ祖母の虐待は酷かった。
世の中に小学生のうちから将来家と袂を分かつ為に貯金する人間がいますか?私は同じ境遇にある人間と未だかつて会ったことがありません。
と、ここまでしみったれた話しをしてしまったわけですが、この文を読んで心を動かされた方も居るでしょう。しかし、この私の生い立ちと貴方を同一化するのは危険です。
前述したようにオタは感受性が豊かです。同情を誘う話しをされれば、我が身のように感じてしまいます。それは素晴らしい慈愛であると思います。ですが、だからこそ取り違える。本田氏の本を読んでまるで自分が体験したかのように。自分も女性に差別されて生きてきたかのように。
多少の差別はあります。しかし、露骨に「あなたはオタクだから付き合えません。」と言われた事がある人は少ないはずです。オタクという種族の精神から言って。
実は電波男はオタのバイブルではないのです。電波男は愛やモテるかモテないかを追及した書き方になっています。さて、この愛やモテを追及したというトピックはオタクに関係したものでしょうか?
関係しませんよね。いえ、現実社会とオタ社会を行き来する人には関係するんですけど、完全2次元派の人には無関係ですよね?みなさんそういった論調じゃないですか。現実の女に言及するなんて甘い。みたいな。
ということは、現実の女を引き合いに出している電波男は甘い本だということになります。
私は昔付き合っていたDQN女性を心底恨んだことがあります。でも、オタクになった今、そんなことはどうでも良くなりました。3次元のしかも過去に囚われるのがバカらしくなったからです。
2次元の素晴らしさを知れば、3次元に悩む事がバカらしくなるもんです。というよりも、本当に関心が無くなるんです。皆さんはどうでしょうか?2次元オンリーでもなければ3次元でもない方、2.5次元派の方も、3次元オンリーの時よりはずっと楽になったんじゃないでしょうか?
つまり、オタになってまで3次元を引き合いに出している段階で、著者の本田氏は3次元を捨てきれていないのです。本田氏風に言えば、
護身が完成していないのだ!ドーーーーーーーン!!!!11!!1!
といったところでしょうかね。モテたいという気持ちがどこかにくすぶっているからこういった本の仕上がりになるんじゃないかと。
一度頭をクリアにして考えてみてください。捉えようによっては、電波男は3次元の愛に敗れた男が、オタクの皮を被って3次元批判する本に見えてきませんか?
先入観を捨ててみて下さい。個人の主張をオタク全体の一般論にスリカエられた気がしませんか?オタク、特に萌えオタにとっては3次元なんてどうでも良い事ではなかったでしょうか?
本当に問題なのは、不当な理由でオタが虐げられる事であって、オタがモテない事や女性のせいで彼が苦しんだことではなかったんじゃないですか?
こうして私は孤立を深めていくんですねw
嫌オタ関係者、電波男関係者を敵に回してまで言いたかった事。
何人が受け入れてくれるんでしょうか。
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