シリーズアキバ

2次元(アニメ)→3次元(映画)コンバートは何故失敗するか?

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シリーズこれはもう、はっきりした部分がありますよね。詳細は色々ありますが、物理的な部分と制作サイドの理解力ってのは大きいでしょう。


ラジオドラマは時折ドラマを超えます。本来そんなことは無いはずです。音だけが、映像を超えるなどということはあってはならない。しかし、ラジオの演出家は、超える事があると言います。


それは、陳腐な演出や大根役者が出るよりも「聞かせる」という一点に特化したラジオの方が感情移入しやすくなるということがあるからです。


マンガをアニメ化してがっかりするときと、しないときがあります。マンガは「読ませる」ことに特化している。また、音さえない。音(声)は一方的に与えられるものですが、マンガの場合は自分でアテレコして読むことが出来る。


だからこそ、アニメ化して声優が・・・という事がある。最近は少なくなってきたような気もしますがね。
筆者直近のガッカリは、スクランの塚本天満タソです。野太いよ・・・声・・・。


アニメの作画はアニメーターさんの技術だとして、演出は、制作サイドによるものです。アニメの演出は本来マンガを読んでいるだけではなく、好きである必要があると思います。


マンガが好きという点において、消費者。この消費者というスタンスが制作時に役立ちます。それは、キャラの特性や思い入れを視聴者(他の消費者)と共有しやすいからです。


ネギま!のエヴァ様みたいな事が発生するのは流れ作業で作っているからであり、消費者の一般的な感性があればマンガのキャラぶち壊しなんて事にはなりえない。


ここまではオタの範疇の出来事です。オタ同士でも満足にいかないのに、これが非オタになったらどうなるか。想像に難くないですよね。


頭文字Dの実写版などはまさに物理的な限界と、演出家の限界が見えました。
物理的とは、役者の限界と映像としての再現性の限界です。役者自身が別に作品を好きでもないでしょうし、合っていない。また、マンガでの緊迫感(場の空気)やスピード感が出せない。


マンガやアニメは無駄を極限まで省いた作品です。3次元にするにあたり、小道具がやけにチャチだったり、役者という人間が100%構築されてそこに存在している為に感情移入しきれなかったり。という事が無い。車とか会社とか学校という非常に現実社会に近しいものでも3次元での再現の限界がそこにある。


演出家(制作サイド)の限界はやはり、「知らない」事です。マンガ自体を知らない。読者がどう読んでいるのかなど分かるはずもない。


このキャラはこんな性格だろうという風にオタは妄想しながら不思議と語られていない部分を自分で補完していくもので、しかも、他のオタも似たような事を考えて読んでいる。


元々2次元の理解が出来ないのだからそんな妄想など出来ない。インプットされないのにアウトプットが起こるはずがない。オタは妄想力が豊かであるとされるが、この3次元映像化がそれを如実に表している。


この映像は一般人も見るワケだから、一般人が理解できるようにしているといえるかもしれない。しかし、それではいつまでたってもハリウッドなどを超える事は出来ないだろう。


アニメやマンガはありえないから面白くないという人間が居る。現実に起きないから見るに値しないのだそうだ。しかし、ドラマや映画もそうではないか?完全な現実をただ流すだけではけして面白くない。


起こりうるかどうか?という程度の差はあれ、アニメも映画もフィクションである。
最近日本では泣ける映画に代表される分かりやすい映像が好まれているようだ。特定の記号でもって歓喜、感涙するのは想像力が欠如しているからだといえるかも知れない。繊細な部分は理解できないから分かりやすさを求めるのである。

「オタクは特定の記号や文化にしか反応できないんです。彼らは単純なんです。」
と、時々評論家にやられますが、それは全国民的なムーブメントでした。残念。


こうなってくると尚更妄想力に欠ける方は単純さを追及する。泣くためのストーリーや空気作りに没頭する。そうすることで多くの要素を切り捨てている。すると「泣ければいいや」という刹那的な作品になってしまう。


ハリウッドのアクション映画が面白いのは、私が考えるに、その単純さを追及しても要素は捨てていないからでしょう。結局美人とハッピーエンドになるのは分かっていますが、そこまでのノイズ交じりの場の空気を大切にしている。その現場の空気感に作為を感じない。自然なんです。


また、作為を感じたとしても、時代劇のように完全な創作。生粋の人工の空気であれば問題は無い。それは割り切って見ることが出来るからです。


アニメやマンガという完全な創作に、中途半端な現実味を混ぜ込もうとするから面白くなくなる部分はあるでしょう。見ていて冷めるんです。


ふと現実に引き戻されるといいますか、仮想と現実の二種類が作中で分離しているため、その二面を客観的に見てしまう。完全に作品に飲み込まれる事はなく、批評家のように一歩引いてみてしまう。


ハリウッド映画は完全な創作が元になる事が多いですね。それは現実という油を創作という水に混ぜるようなバカな真似をしないから。


パイレーツオブカリビアンやターミネーターなどは創作の純度が極めて高い。メインのストーリーに現実の介入をほぼ許さなかったからこそのめりこんで見る事が出来た。


日本のドラマでは、ショムニや直近では女王の教室あたりは創られた人工の空気感がありますね。
で、電車男は大当たりしましたが、あれには完全に現実が介入してしまっている。偏見なしに驚くほどつまらなかった。これは例外ですね。


現実が主となったのはオールウェイズ~3丁目の夕日~でしょうか。若い世代からすれば創作であるように見えますが、当時を生きた人にとっては紛れもない現実なんです。


現実と創作の持つ独特の空気感を分けて扱う事によって良い作品になる場合が多いように感じますね。


そこで結論を言うと、オタ以外がコンバート創作を頑張っても厳しいぞ。と。



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