北米市場は、日本市場の10倍据え置き機用ソフトが売れているそうです。人口は大体3倍程度なのにこの大差。これをどう見れば良いのか考えてみたいと思います。
北米市場10倍への批判と反論
北米市場で据え置き用タイトルが10倍も売れる現状に対しての反論があります。
それらを反例等を挙げつつ議論していきたいと思います。
1)人口が違う
2)文明度(文化の発展程度)が違う
3)ライフスタイルが違う
10倍の差がついたって仕方ないだろ?という意見の大半はこの3点に集約されます。1)は既に論破していると考えても良いでしょう。実は、イギリス(人口6000万)よりも日本は売れてないんですよね。据え置き機用ソフトが。
次に3)にいきましょう。ライフスタイルの差。これは確かにあるかと思われます。電車通勤とかそういう部分に於いて、DSやPSPといった携帯機が好まれるのは当然です。当然ですが、だからと言って、据え置き機が全く売れない事の元凶だと言うのには弱い。家に帰ってもDSをいじくり倒すユーザーが多いとは思えません。美文字や脳トレをしている程度であって、ヘビータイトルをボコボコ買って遊んでいるわけではない。稼働時間は長くないはず。据え置き機を遊ぶ余裕はあると言えるのではないでしょうか。
最後に、一番議論がされるであろう2)に触れたいと思います。文明度です。こういった意見が聞かれます。
「日本はゲーム先進国であり、ユーザーの目が肥えている。FC時代を思い出してほしい。老いも若きも皆FCをしていた。今のアメリカはそれと同じで、出始めだから活気付いているだけ。文明度が追いつけば徐々に差は無くなる」
これには一理あり、完全に否定するものではありません。ただ、少し考えて欲しいのが、かつてゲームをしてゲームに対する敷居の低いはずの日本でどうしてここまで売れないのかということです。大人がゲームをやる素地はあるわけでしょう。FC時代(黎明期)理論を展開するならば。老いも若きもゲームをやっていた!と言いますが、実際は大してやってませんよね。やっていて今の30代辺りまででは。それより上の年代になると、ゲーム機を全て「ファミコン」言ったり、酷い場合は「ピコピコ」呼ばわりですよ。
ここで私が感じるのは、ゲームについては先進でも、人間として後進なのではないのかという事です。というか、最早ゲームも先進じゃないですし。面白いゲームを提供できる国内ゲームメーカーって任天堂にナムコ…くらいなもんで。
では、話を元に戻しまして、人間として後進国というのには、日本人が総じておバカさんだというのがあります。ゲームを「ピコピコ」と呼ぶのに集約されていますよね。日本人は酷く「情報弱者」なのです。そしてそれが広く許される社会です。皆さんもご存知の通り、知っている人間を知らない人間が差別して良い風土です。一流大学生を見るや否や、「勉強は出来るけど、仕事は出来ないだろう」とかいうのが常套句の国ですもの。社会の中で飛び抜けている者を爪弾きにする文化のせいで、頭が悪いことが自然であり当然なんです。その為に人間として後進国となっている。
人間としての後進国がゲームに対しても影響を与えます。
諸外国人がゲームハードを購入する際、先ず考えるのは、「自分のやりたいソフトが出ているのはどのハードか」なのだそうです。何をバカな…と思われるかもしれませんが、本当にバカに出来ますでしょうか。日本の場合は違いませんか?
「PS2の後継機だから」
「DSは皆が持っているから」
「Wiiは任天堂の製品だから」
何かおかしいですか?やりたいゲームタイトルではなく、知名度や普及率で買うのが日本人です。もう少し賢くなると、「FF13が出るからPS3を買った」になるわけですが、ゲームソフトがどのハードで出るかなんて蓋を開けてみないと分からないってのがコアなゲームファンの常識です。ここまでの認識を身につけろとは言いませんが、物の買い方を根本的に誤っている。皆が買っているからなどと、自分の財産を他人に任せて浪費してしまう購買行動がそもそもどれだけおかしな事なのか。冷静になって考えてほしい。皆が買っていたら霊験あらたかな壷を買うんですか?…日本人なら買うかもしれませんね。
このように、日本人は自分で調べたり考えたりする力が明らかに低い。売国奴、非国民と罵られても構いません。声を大にして言いたいと思います。「日本人は阿呆である」と。
面白そうだからゲームを買うのではなく、面白いと聞いたから買う。酷い場合は面白いかどうかも聞かない。ゲームについててんで知らない。
アメリカは違います。老いも若きも皆調べる。何がいつ出るのか。それがどれくらい面白そうで、幾らくらいなら出してもいいか…。そういった脳味噌の使い方の差が売り上げの差なんでしょう。
Wiiのソフトなのに、「マリオギャラクシー」というマリオの正統続編が出ている事を知っているWiiユーザーがどれだけ居るのか。マリオは国民的、世界的な有名人!とか言っているのに、当の日本人がマリオの最新作を知らない。酷い無知です。テレビで四六時中CMをしなければゲームを買えない程度の能力です。犬猫のようにCMで躾けてやらんといかんのです。なんとも恥ずかしい。
この国民性が大きく影響していると私は考えます。先進国もクソもない。
ゲーム先進国なのにゲームの知識が明らかに乏しい。
それどころか、ゲームに詳しいと「キモイ」「オタク」と嫌われる。
今後は是非とも、「ゲーム先進国()笑」 「マンガ先進国()爆」などと、
こっ恥ずかしい厨房っぷりが滲み出る書き方をする事をお勧めいたします。
「日本は世界に名を轟かせる、ゲーム先進国()笑ッ!!!!」
上に挙げた3つの他の要素として、中古市場が未発達というのがあるでしょうね。アメリカには中古市場が殆どありません。なぜなら、日本のように小売がゲームを買い上げなくていいからです。売れなければ返却出来るのです。(日本の返本制度と同じ仕組みですね。アメリカには本の返本制度が不十分なためコミックが超高いというのは良く知られていると思いますが…)
しかも、ある程度店側の売値で売れるそうです。80ドルのゲームを30ドルで売ってもいい。簡略化しますと「メーカー側に30ドルで売っておいたよ」と言うだけでいい。小売希望価格みたいなものが幅を利かせない。だから、ドンドン値引き合戦になり、新品のソフトがバカスカ売れる。
中古のソフトは売れたとカウントできませんから(メーカーに利益が入ってこないし)、日本のように1つのソフトが使いまわされてしまうのはあまりメーカーとしては美味しくない。美味しくないけど、小売希望価格とかを設定して流通もメーカーも甘い汁を吸いたい…。うん。実に日本的で腐ってますがな。
1ヶ月前に出た有名タイトルが、78ドルから20ドルになっていたら買いませんか?私は買います。風通しの良い業界になればよりユーザーに身近になり、結果として知識が付き、妙な偏見も消えていく。そういった敷居を下げる流れを大事にして欲しいものです。大事にして欲しいと言ったのは、任天堂がやっとこさユーザーの改革に成功し、風穴を空けているんですから、これに乗じて欲しい。脳トレやフィットネスばかりではなく。(こう書くと途端にバカにしやがって!と書かれますが、私はWii Fitユーザーですよ)
日本人的な無知と、日本人的な組織。日本人だからこそ、日本人のせいでダメ。
この体質、改めてみませんか?私の一言でどうこうなるとは思いませんが、少しでも皆様に考えていただければと書いてみました。長文にお付き合いいただきましてありがとうございます。