スパ2Xのハメについての議論と私自身の考えをまとめておこうと思います。
◆ハメの種類
ハメには強度がありまして、酷いハメから酷くないハメまで挙げればきりが無い。多くの場合、ハメについて文句を言うのは強キャラを使う人ですね。強いキャラを使うという事は、ハメたりしなくても勝てるからという事もあるでしょう。俺がしないんだからお前もするな。というのが彼らの言い分です。何も知らない人間からすれば、ハメを禁止するのはマナーとして正しいように思えますが、それは大きな間違いです。
◆ハメ(当て投げ)を強キャラがやらない理由
1)ハメなくても勝てる
2)当て投げはかなり習熟した技術が必要
3)当て投げに行くと損をする
実は、「俺はやらないんだからお前もやるな」の裏には、安定して勝つための策略が秘められているわけです。ハメと言うと、絶対脱出不能な完全なパターンのように思われますが、それは全くの誤解です。先ず、当て投げ自体が相当に難しいということ。誰でもお手軽に相手を封殺できるパターンではない。よって、練習をしないと(しても)上手く行かない。
次にここが大きいのですが、当て投げは成功確率が50%だということです。例えば、小技を当てて投げる場合、投げに行く側が完璧に投げコマンドを出したとしても、50%の確率で投げが打撃技に化けてしまい、投げが成功しないという状況が生まれます。当て投げに失敗すれば相手に投げ返されたり、無敵必殺で返されたりしますので、そんなリスクを負う必要が無い強いキャラはそもそも選択肢にならないのです。
彼らは絶対に使う予定のないテクニックを「当て投げ禁止」というローカルルールで封じられた所で一切損をしません。ここに表面的には見えてこない「マナーとしての当て投げ禁止」の嘘が存在しているわけですね。
また、ザンギエフや本田、ホークといったキャラは、当て投げをしないと勝てません。ザンギエフに対してダルシムで乱入したり、本田に対してガイルやリュウケンで入る事こそ簡単なパターンで相手を封殺できるのだから「ハメ」だと言われて仕方が無いのではないか。もっとも、私はそんな事を言うつもりはありません。そういった完全に対処すれば負けるはずがない組み合わせを認め、乱入も許すのだから、当て投げも許せというスタンスです。
当て投げをしてまで勝ちたいのか?と聞かれることがありますが、私は勝ちたい。何をしたって勝ちたい(豪鬼や相性を見て強キャラを被せるとかではなく)。そもそもスクリューを当て投げしても間合いが開いてハマらないじゃないか。画面端で転ばされ、的確に当てスクリューされたら自分のせいだと思うべきではないか。そこまで近付かれ、追い詰められ、転ばされて完璧な当て投げをされたのだから、それまで何度もミスした自分を怨むという発想は出ないものか。
本田やザンギで敵の動きを制して勝つ感覚、絶対有利と思っている相手の慢心を粉々に粉砕する感覚が楽しい。よって、ガイルの待ち戦法も一向に構わない。なんとかして崩すのが面白いのであって、それが嫌ならば強いキャラを使えばよろしい。えてして安易に強いキャラを選ぶ人間は弱いキャラで苦心している人間を見下げ、負けたら言い訳をしてみたりするものなので、どんなキャラを使っても彼らは対戦相手を不快にするだけだろうが。先ずはその心の弱さを治してから挑戦してもらいたい。
◆当て投げ以外のハメ
代表的なのはトリカゴだろう。トリカゴというのは、画面端に追い詰めた状態で波動を連射し、相手が飛んで抜けようとしたら昇龍拳などで追い返す戦法の事。本田を使っているとこれがもう非常に厳しい。厳しいが、ハメじゃねえかよ、汚いぞ!なんて思わない。多分、そういった不利な状況を持たないキャラを使っていると、トリカゴがハメだと思わないし、当て投げはハメだと言ってしまうんだろう。自分はトリカゴをするのは大好きだし、それを抜けるのも楽しいと思うのだが。
◆ハメが嫌われる理由
先にも示したように論調工作や強キャラを使って勝つことに固執した人間によるものもあるが、それだけでは決してない。かつてスト2やダッシュをゲーセンで遊んでいた当時のローカルルールがスパ2でも当然通用すると考えている人間。これについては時代の流れとゲームシステムを理解してくださいとしか言えない。しかし、スト2時代のリュウケンの小足連射から当たればピヨ、当たっていなければ投げ連携が酷かった事から、一切禁止と思い込んでいても仕方ないのかなあとか思いはするが…。まあ、スト2とは別のゲームですから理解してくださいと。
次に、若い世代だ。高校生以下の世代。この世代がやっているゲームは、投げの弱いものばかり。コンボゲーで投げキャラを使って勝ったりすると「卑怯」「別ゲー」「下手過ぎて噛み合わなかった」などと言ってしまう人を何人も見てきた。彼らは当て投げから3割も体力が減る事実を受け入れられない。そして、自分が下手だという事実も受け入れられない。読みあいで負けた場合、自分に否があっても運が悪かっただけなどと処理してしまう。小技をガードしたら投げられるはずがないゲームしかやっていないのなら、当て投げは反則にしか見えないだろうなぁ。
◆一番酷いハメ
一番酷いハメは、初心者狩り。