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アニメオタクの収益化の難しさについて

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過去何度か同様の発信をして痛い目をみていますが、安易なオタク批判だと受け止めず、皆さんに考えていただきたい問題があります。それが、アニメオタク、いわゆるアニオタの収益化の難しさについてです。皆さんもご存知のとおり、アニメは無料です。テレビで見ることができます。BSの放送などでは、DVDよりも高画質に無料で流れているわけですから、HDに撮ってしまえばDVDなんて買うだけ損です。これはアニメを放送する側に工夫が足りないともいえますが、それは一旦脇に置きまして、とにかくアニメは収益化が難しいのです。今回はオタクメディアを目指して大火傷した経験からまとまらない文章を書いておこうと思います。

 

アニオタは金を出さない

これが一番の問題です。そして、ほぼ唯一の問題かもしれません。DVDやBDを買う層は1タイトルあたり何人ですか?1万人?数千人はいますでしょうか?鼻で笑われますよね。夢見てんじゃねえぞ、と。実態は数百人ですものね。視聴率が0.1%でも、視聴者は12万人ほどいるわけです。それで数百枚しかDVDが売れない。0.01%でも1万人が見ているのに、500枚、600枚という売り上げ。こんなことはザラなんですね。世の中、5%(6%)の法則というものがありまして、あらゆるグループは2対8に分かれ、2の優秀と8の普通以下になる。その2の中身も2対8に分かれるため、全体で見るとわずか5%だけが本当に優秀といえるというものです。これをオタクに置き換えれば、ファンといえるということになります。

 

いま、あらためて視聴率と購入数を比較してみますと、世帯の視聴率が0.1%で12万人。アニメは家族みんなで見るものでもないでしょうから、かなり余裕を見て十分の一して0.01%なら1万人。ここで500枚売れたとすると、視聴者のなかの比率は5%。オタクというかなり限られた、尖った趣味ですらこれが現状です。

 

世の中には、タダだからやっているという人間がかなりの数いるわけです。スマホのゲームが出たときもあるところに書きましたが、お金がない、使うだけの心理的余裕がない層が、暇潰しにする趣味というものがあります。その趣味を提供し、収益化することは生半可ではいけません。スマホゲームは射幸心を煽ることで収益化に成功しましたが、これは許されざるものだというよりも、そうでもしないと収益化できないという証左ではないかと思います。もちろん、過度に射幸心を煽ることがいいこととも思いませんが。

 

無料ビジネス、粗品ビジネスというものが一時期もてはやされましたね。あれは、無料だったり低価格だったりで、商品の価値を感じてもらい、その後で高級品、本当に売りたい商品を買ってもらう仕組みなんですね。でも、これは、お客がお金を払う気があるか、問題を解決してほしいと切に願っているときに有効な方法です。健康食品や化粧品のCMなんかはそうなっていますよね。粗品や資料を請求する視聴者は元気になりたい、楽に痩せたい、そのためにならお金を出してもいいかなぁ?と思ってるわけです。スマホゲームの場合は、とにかく基本無料で遊んでもらい、そのゲームのおもしろさを知ってもらったうえで、ここから先、遊ぶならお金を払ったほうがいいよと仕掛ける。すると、プレイヤーは元気になりたい、楽に痩せたいの代わりに、楽に強くなりたい、もっと遊びたいと切に願うようになり、お金を出すんですね。ワンクッション多いだけで、本質は同じです。

 

では、アニメはどうでしょう。アニメには継続性がありません。テレビで流れている作品が無料試供品であり、最終販売品です。お金を払わせる仕組みがないわけですから、お金を払う気がない客がわんさか押し寄せるのは当然です。全品無料のスーパーみたいなものなんですから。客はきますよ。本当の意味でお客と呼べるかどうかは知りませんが。言葉を選ばなければ、こういった質の悪い客を集める条件「しか」ないんです。詳細は後述しますが、だからこそ我々も痛い目にあったりするんですね。

 

いつまでそんな低品質な集客をするのか

アニメは日本の文化です。これからもいろんな作品がアニメになり、周辺産業とともに発展してもらいたい。しかし現状、アニメはマンガ作品等のオマケです。マンガを売るためのもので、アニメ単品で収益化できていません。DVDが売れてはじめて回収可能、回収できない分は宣伝広告費として諦める。それが普通です。で、こんな仕組みがいつまで続くと思いますか?すでに国内のアニメ産業の現場は破綻していますよね。どだい無理な話なんです。集客を見直し、練度を高めなければ、切り捨てる、切り捨てないの道義的な話以前に、産業として終わりかねないんですよ。

 

私なぞは国内版、海外版DVD、のちにBD化されればBDと、好きな作品はとことん好きになり、名前買いしてしまうような人間です。私の周囲もそんな人間ばかりでしたから、オタクの世界はそういう人たちばかりのパラダイスだと信じておりました。でも、甘かった。かつて私がアニオタ向けの情報発信を企画、運営の手伝いをしておりましたが、アニメを見ている層とお金を払う層の乖離があまりに大き過ぎ、2005年ごろの秋葉原ブームが起こる前、ひと波きそうだと当て込んだ連中は雲散霧消しました。といっても、アフィリエイトなどなく、わずかな関連広告や紹介料をいただくというもので、基本的にオタクの交流と利便を考えたものでした。それでも、不届きだ、許さないというコメントで溢れかえり、少しずつ精神が削られていったことを思い出します。

 

なかでも我々を疲弊させたのはタダでくれ、コピーしろ、しないなら殺すといった文言。アニメを見てのレビューサイト、アニメグッズや音楽などの話をすると、大体絡まれていました。あまりに酷く、当時警察のご厄介になったこともあります。コメント欄だけならまだしも、我々が取材に行くと取材先を爆破するというメール等まで送られたことで、このビジネス(なんて立派なものでも、金儲けを考えてもいなかったのですが)は立ち行かないと思いました。お金が回らなければ、取材のような丁寧なコンテンツ作りはできません。大手メディアの提灯記事が基本になる。しかし、それでは満足できない人のために、おりしもアニオタへの批判強まる時期でしたからそちらへの反論も兼ねたカウンターメディアを目指したのですが、金銭面と精神面、双方から突き崩されてしまった次第です。

 

今でもなかなか、高品質なメディア作りは難しいでしょう。アニメ産業という基幹が揺らいでいるんですから、それに付随する盲腸のような商売はまったく難しい。だからこそ、パクリサイトによるアフィリエイト、広告乱舞が強い。使うお金が微々たるものですからね。射幸心を煽るゲームの仕組み同様、読みたいと思わせる酷いタイトルをつけるほうが儲かる、そういう仕組みにせざるをえないわけです。真っ当にやればやるほど損をするとなれば、誰もマジメにはやりませんよ。まあ、我々のやり方が正しかったとも思わないのですけれども、下郎に成り下がらなければ勝てない世界なんてやはりなにかが狂っていると思うわけです。これはメディアすべてが地盤沈下しているような気もする現代の大きなテーマですけれども、オタクの話から広がり過ぎるのでやめておきましょう。

 

とにかく、無料だから客からお金をいただく仕組みを導入するか、はじめからお金を払う気でいる客だけ集めるかを早急に決めなければなりません。後者については放っておいてもお金を出してはくれるでしょうが、この客層の率を高めれば高めるほど無駄がなくなります。最終的にはテレビの放送枠などいらなくなるかもしれません。YouTubeなどを見ていればわかりますけれども、無料だから見ているんですよね。人気コンテンツでも、月額いくらとかになったら、途端に視聴者は減るはずです。だとすれば、もはやテレビで流す意味がない。CMがちゃんとついて、その広告収入でまわせるモデルにし、それに適した客層が確保できれば(これが難しいのでしょうが)、テレビアニメなぞ要らんということになります。だって、1億2000万人に流しても、見るのは1万人、買うのは500人。反応率が悪すぎますからね。非効率なことこのうえない。茹でガエルと同じで、リスクを恐れたり、しがらみの関係で現状から抜け出せないのだと思いますが、この先、更に多様化していくコンテンツの世界にあって、旧態依然とした仕組みはとてもまわっていきません。ご批判もありましょうが、アニオタは無料の趣味という常識は、そろそろ転換期にあるのではないかと思います。

 

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