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毎日新聞『させてはならない“悪書狩り”』を読んで思った事

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悪書この度毎日新聞の古新聞を入手できましたので、その中にあった記事を元に少し話をしてみたいな。と思います。この投書を採用する辺り、毎日新聞社内にも少しは理解してくださっている方がおられるのかな。と感じて安心しております。


まあ、ゲームやマンガが殺人に直結すると考えている方は絶対こういった部分を読まないんでしょうが。


悪書と良書という線引きは一体何なのかを考えてみますと、当然内容が充実し面白い事や、倫理的に問題が無いことだと私は思います。しかし、現状はどうでしょうか?書店で平積みされていたり、今売れています!と書いてあったりする本が売れる傾向にありませんか?


何故急に売れる売れないの話しになったかといいますと、多くの人間が売れている本=良書だと思っているからです。


このような辺境ブログを真剣に読んで下さるような方は博識な方が多いでしょうから、必ずしも販売数=良書とは言い難いという事が分かっておられるのではないでしょうか?


今、売れている本に目を転じますと、時代の流れ(テーマ)に即している物が売れるという傾向にあります。これは当然といえば当然です。しかし、同じようなテーマを取り上げていても売れない本があります。その売れない本の傾向は、主に以下です。


◆読者の希望しているような論調ではない
◆内容が理解を超える程濃すぎる


内容がお粗末でお話にならないような本は除くと、こういった理由が挙げられるでしょう。


さて、一つ目の理由についてですが、これはどうしても起こってしまう問題です。消費者はお金を払って本を買います。私のように変人でもない限り、自分の理念を否定してくるような不快な本は普通買わない。
どうせなら、自分の考えに即した内容の本を読んで、自分は間違っていないんだ。と思いたい。


しかし、この傾向が強まれば、自然と大衆(多数派)の考えにそぐわない本は消される事になります。既にその傾向は出版社や報道各社でみられますよね。
ゲームのせいだ。と言った方が支持されますし、本も売れます。出版社も慈善事業じゃないんでどうしてもそういった方向に走ってしまう。こうしてより磐石な多数派思想が形成されるんでしょう。


◆二つ目の理由は読者の理解を超えるような難解な本は売れないということ。私でも、急に哲学者の名前や心象図を引っ張り出してきて力説されますと、「ウッ」っと思うことがあります。ましてや普通の読者は読むのに手間がかかる本なぞ買うはずがない。読んで理解できなければ、その代金は無駄になるわけですからね。


ということは内容が一本槍と言いますか、一貫してブレず、単純で内容が濃くない本が売れやすくなります。ここまで言うと極論かも知れませんが、売れやすくはなりますね。また、あまりに斬新な内容の本も新たな理解を求めるわけですから、売れにくくなります。


もし、貴方の目の前に「ケチャの極意」なる本があったとして買いますでしょうか?全く知らない分野に対して人間は往々にして臆病なものです。ケチャが何か知っていないとなかなか買わないでしょう。第一、見聞きしたこともない単語が踊っている本を買いだしたらキリがないですからね。


【閑話休題】
そういえば、以前、オタク文化バッシング系の本を読んでいたところ、知らない大学生に、
「その本俺も就活で読んだよ。オタクってさあ。キモイ上にバカだよね」
と言われたことがあります。


そこですかさず、「貴方はオタク擁護本も読んだことがあるのか?」と聞いてみたところ、案の定読んでいない。読んでいない理由は、読む気がしないから。や、社会がそういった空気ではないからだそう。
仕方がないことでしょうが、残念ですね。


そこで現在です。オタク擁護本や成年指定コミックは一般人には売れません。売れるのはオタクと予備軍くらいのものでしょう。
集団心理は恐ろしいもので、オタ文化諸悪の根源論がバタフライ効果のように伝播していきます。

正義の名の下に成年指定のコミックを全廃しようという動きもあります。この投書にもありますように、
①偉い人間がそういっているから間違いないという短絡的な思い込み
②こんな犯罪を普通の人間はしないから、オタクがやっているという責任転嫁
③抵抗しないということは悪い事をしているからだという思考に基づく一方的な攻撃。


これは、どう考えても正義側の人間がすることではないですね。特撮戦隊シリーズの悪役がすることですよw
通常、現実社会には時代劇のような完全な悪役は存在しません。にもかかわらず、絶対悪を絶対正義が懲らしめるような空気があること自体が大問題ですね。


「特定文化の抹殺」は、民族としての「オタクの根絶」にも繋がりかねないものですね。イスラエル対パレスチナかってのw

沈黙だけでは対処しきれない。オタクの今後の身の振り方が問われだしましたね。



悪書もたまにはいいんじゃね?って方は是非ワンクリを~。
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