シリーズアキバ

なぜマンガ雑誌は面白くなくなったか~ジャンプ等を例として~

Pocket

シリーズといいましても、今のジャンプが好きだ!と言う方もおられるでしょう。それはもちろん自由です。ここで取り上げるのは、ジャンプが昔ほど面白くないと感じてしまう人たちへの分析です。事実、今の方が面白いのかもしれませんしね。


昔のジャンプが面白かったと感じてしまう理由としては、
①懐古主義
②目が肥えてしまった
③マンガへの情熱が無くなった(脱オタ傾向含む)
④作品の一般化


が挙げられるでしょう。①は頭が固くなっただけですからここでは無視いたします。②も分かりますよね。③は、マンガよりも面白い物を見つけたとか、そろそろマンガは卒業だな~。といった脱オタによるものです。問題は④ですね。最近のマンガは単純化されていると思いませんか?私はそのように感じています。それが絶対に悪いというものではありません。特定の記号、即ち属性をちりばめたキャラを見てあざといなぁ・・・と思うことはありますが、好きなものは好きなんだからしょうがない。それは個人の好みの問題ですしね。


以前のマンガ、例えばドラゴンボールや北斗の拳などはストーリーと構成は非常に明快です。当時はソレしかなかったわけですから我々は熱狂するのは当然のことです。しかし、それから十数年の月日が流れ、今はマンガの局地化(ローカル化)が進行しています。といいますのも、今までのような単純な作品は目の肥えた私達にとって光を放つ珠ではなくなってしまった。


そのため、ストーリーやキャラ、属性の過積載現象が生じました。あらゆる属性を持つ読者を一つの作品に惹き付けるには、ネギま!のようなあらゆる情報を掻き集めたポータルなマンガではないといけません。しかし、それは通常の腕前では過積載となってしまいます。そうなると作品の面白さは薄れてしまう。


そこで考えられる今後の動向及び兆候として、ローカル化があるわけです。同人誌のような狭小な範囲でのみ絶大な魅力を発揮するシンパシーを感じるもの同士が集まり、購買するという形式です。現に、戦うヒロインのみを扱うコミックヴァルキリーなどがそうです。クイーンズブレイドのような女性が戦うというシチュエーション(服が破れたり、ダメージを受けたりするところでサディズムを感じる等)が好きな方が確実に居り、局地的に秋葉原でもブームとなりました。


オタクがコアな作品へと流れるのには、いつまでも大衆ウケをする作品を掲載し続けなければならない膨大なロットで生産されるコミック誌への飽きと諦めによるものだと考えます。ヤンマガやジャンプを読む読者はオタクではありません。市場調査を行ったわけではありませんが、片手間で読む一般人の方が人口比から見ても多いと考えるのが自然です。となると、単純な誰でも受け入れられるマンガでないといけません。


ガンダムのようなロボットモノで、しかも敵、味方両者に正義があり、その両方が否定できないなどという難しいものは彼らには敬遠されがちです。それは、読んでいて難しい。オタっぽい。などの理由からです。現代の小説にもこの傾向は見て取れますね。大衆文学の一般化が進行しすぎた結果、誰もが書けるような、そして読んだあとに後味が残らないような作品が好まれます。恋人が死んだり、ネットで風俗をやったり、彼氏の背中を蹴ったりします。分かりやすいですね。


マンガでも、ドラマ化するのはそういった単純なものが中心です。意図して分かり易くした作品ではなく、内容が軽薄短小なものが好まれます。バトルロワイヤルのように仲間同士殺しあったりというのは戦慄という記号を前面に押し出し、それ以外の情報をこくごとくカットしてある。エヴァのように屈折した主人公が使徒と戦ったり親や自分の事で悩んだり、恋をしたり・・・。といった記号を多く持っていたり、絡まりあったロジックを有するものは売れません。だから延々と単純な作品が掲載されてしまいます。


ドラゴンボールの悟空が死んでしまうシーンや、北斗の拳のトキがラオウに敗れる時、多くの読者はその当時はまだバージンスノーであった「死」というテーマに心を揺さぶられました。しかし今は余程丹念に死への課程を描かないと感動を呼ぶほどの作品にはなりません。(目の肥えたオタクにとって)ですが、彼ら一般人にとっては未だそこはバージンスノーなわけです。韓国のドラマが昔の日本のドラマのようなあっさりした造りであるのも、そのストーリーが韓国でのバージンスノーだからです。


今後、一般人のオタク文化への流入が進む可能性は否定し切れません。となれば、大衆向けコミック誌はオジサンが好きなマンガ雑誌のように、ギャンブル、女、殺しといった誰でも理解できるような記号を持った単純な作品で埋め尽くされる、又は現状で膠着してしまうことは安易に想像できます。


これからは、多くの読者にとって面白い作品を作るより、細分化されたローカルな作品を作ることの方がオタクにとっては良い結果を招くような気がします。一企業や1人の大作家に資本が集中することはなくなってしまうので作家にとっては厳しい面もあります。これからデビューする作家にとっては門戸が広がるという面がありますがね。


◇おまけ◇
ローカル化が進行している論証として新作のクイーンズブレイドなどをw
古代エジプトを思わせる古代の王女 メナス
身長120㎝。狙う層はピンポイント鋼鉄姫 ユーミル
陳腐化したとはいえ2次元では根強い人気死のメイド アイリ

ピックアップ記事

  1. 電子書籍や音楽、映画等デジタルコンテンツのブロックチェーン構想
  2. 日本が安定しているせいで仮想通貨に乗り遅れてヤバいんじゃないかっていう
  3. 「擬古とギコ猫」流行語は下賤か
  4. 書評ブログが成功しない、極めて単純な理由
  5. 謹慎と不謹慎のあいだ

関連記事

  1. シリーズアキバ

    秋葉原は良い街になったという発言とその分析

    放送局がどこであったか忘れてしまいましたが、秋葉原は昔のそれとは違い、…

  2. シリーズアキバ

    知らないでは済まないメディアと人権問題

    知らない、報じられない、俺たちゃ悪くない。知っててもどうにかなる、誰か…

  3. シリーズアキバ

    準児童ポルノに思う

    説教臭くなるのはオッサンになってきた証拠なのか。私ももう若くありません…

  4. シリーズアキバ

    セル画の魔力

    アニメの時代は終わったままなのか!などと、年寄り臭い事を言って煽ってみ…

  5. シリーズアキバ

    物流激変とオリンピックが同人即売会を終わらせるかもしれない

    コミケなどに代表される同人誌即売会、いいですよね。私も売りに、買いに行…

  6. シリーズアキバ

    クロちゃんとモエモエジャンケン

    親のお金でキャバクラに行く事で有名な(?)安田大サーカスのクロちゃんで…

人気記事

最新記事

  1. 娯楽としてのネットの自由はもういらないのでは?
  2. キャッシュレス・電子マネー反対派よ、有人レジはキャバクラだよ…
  3. スマホが縦長だからって縦動画になるもんかね
  4. 書店と書店員のブランド化が危険だなぁと思う理由
  5. 新潮社の本は置きませんという本屋の宣言について
  6. 若者のための「新世代党」とかいう試案
  7. 「擬古とギコ猫」流行語は下賤か

レコメンド

  1. アキバ系雑談

    電子書籍や音楽、映画等デジタルコンテンツのブロックチェーン構想
  2. アキバ系雑談

    日本が安定しているせいで仮想通貨に乗り遅れてヤバいんじゃないかっていう
  3. シリーズアキバ

    物流激変とオリンピックが同人即売会を終わらせるかもしれない
  4. KING PRESS

    謹慎と不謹慎のあいだ
  5. アキバ系雑談

    書評ブログが成功しない、極めて単純な理由
PAGE TOP