アーケードよろず

アーケードゲームのレバーについて(後編)

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前編はこちらからどうぞ

実は00年代まではゲーセンの格ゲーレバーはセイミツでした。大きな転換点となったのは、バーチャファイター3です。古い業界人なら知っているらしいので すが、当時公式アナウンスとして、「バーチャファイター3は専用筐体でなければ遊べません」というものがあったようです。皆さんも見たことがあると思いま すが、連勝数が表示される2台1セットの対戦筐体「バーサスシティ」は99年の発売。当時バーチャは社会現象でしたから、セガが「専用筐体を買え、クソみたいなアーケードゲームも買え、そうしないとバーチャ卸してやんねーぞ」と睨みを効かせれば、どんなオペレーターも指先一つでダウンだったわけです。

このバーチャ3が色々曲者(ゲーム内容がという話ではなく)で、専用筐体を入れる(バーサスシティやブラストシティ)と、そこには三和のレバーが 付いてきた。厳密にはセイミツとの選択制だったようですが、セガが「専用筐体じゃないとダメ」といっている手前、妙なものを選んで動かなかったらどうしようといった思いもあったのかもしれません。標準装備で各店が受け取っていったわけです。

 

ですが、地方ではガラパゴス的に「バーチャがまったく流行らなかった地域」があるようです。そういった地域では、「三和レバー?何それ?」なわけ で、レバーが柔らかいという話がモリモリ出てきます。実は、メンテをするとレバーは柔らかくなります。秋葉原の某店で10円でポッケを満杯にして店員さん のメンテを見ていたのでわかるのですが、10円台はメンテをしてもらうと軽くなるんです。これは、グリスの固化や乾燥、揮発、部品の粉末などで引っかかり が大きくなっているものを、メンテナンスで取り除くため。硬いレバーが好きという方は、むしろレバーのメンテをしてもらわない方がいいかもしれません。とはいえ、1年単位で放置するような店ですと、磨耗でレバーがフニャフニャになるので、これは交換してもらうべきですが。

 

で、レバーの好みには地域性が出るという話をしましたが、特にネオジオ天下、カプコン天下(スト2、スト3)の地域や、ナムコが幅を利かせていた 地域はセイミツレバーでなければいかん!!という方が多いはずです。これは、駄菓子屋の軒先に置いてあるNEOGEO筐体に代表されますとおり、古くから セイミツレバーは壊れにくさに定評があり、SNKの筐体(NEO29)のほか、カプコンのQ筐体、ナムコ筐体(黄色いレバーに黄色いボタンでおなじみ)、 タイトー筐体(イーグレット系)がこれらを採用していたという経緯からと思います。

 

いーや、俺たちはちゃんと(?)セガの汎用筐体だったぞ!バーサスシティなんて知らねえ!!という方は、セガのアストロ、ブラスト、NEWネットシティなんかで体が慣らされたからかもしれません。時系列で並べますと、

アストロ→ブラスト→「バーサス」→ネット

という流れで、間に挟まったバーサスだけが三和を標準で乗せていたようです。もっとも、ネットシティ(NAOMI)時代には、格ゲーっつったら三和だろボケェ!!勢が席巻しはじめていたころですから、気がきくお店ほどセイミツを使っていなかったように思います。カプエス勢だと分かれるんじゃないで すかね。標準採用のセイミツ派だよ!と、三和派だよ!に。

 

私は長らくアーケードを離れていたので、セイミツと三和の転換点を知りません。復帰してからすぐにレバー柔らかいなー……と思って、秋葉原でアーケードスティックを改造するために三和レバーを買いまして、体を慣らしたことを思い出します。

 

なんか色々書きすぎて締めがまとまりませんが、そういうことだと思っていただければ。

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