史上最強の弟子ケンイチ37巻です。カラリパヤトゥ…全く知らんのですけど。という古武術と言いますか、アジア系武術の元祖にしてインド式オイルマッサージやヨガにも通じる武術を身につけたYOMIの弟子「ボルックス」との対決を収録。インド古武術となって、ヨガとなれば、火を噴いたり手足が伸びたり、「戦士としての誇り」を敗者に問うたりするカプコン方面のアレしか思い浮かばないんですけど。
【雑感】
マンガとしてもうダメだろうなと思っていたのに、まさかの巻き返し。逆境に強い男、白浜ケンイチ。作者がアニメを自主制作します!とか言い出して、マンガの質が落ちたと感じていたわけですが、ここまで戻ってきたのは、アニメ制作を手伝ってくれる仲間が増えて作業量が減ったからですか?だとしたらまあ…なんとも。
ただ、37巻は面白い。それだけはまごう事なき事実です。一時期やたらと弟子と師匠の距離が縮まり(今もですが)、師匠の強さが何か見えなくなったのですが(35巻辺り)、巻き返してきましたね。弟子が頑張ったからって才能のある師匠に近付くって構図が嫌いなんですよ。オッサン、ジジイが負け、年齢と男性ホルモンが圧倒的に足りない無努力のイケメンが中二的なシステムで勝つ。そういうのが一等嫌いでしてね。地獄のような努力で強くなるケンイチはその点では納得しているんです。それでも師匠ってそんな簡単に近づけないもんだろ?というのもあるわけでして。ちゃんとバランスを取ってくれるとありがたい。
37巻は36巻からの流れ。ケンイチの師に敗れたルチャリブレのディエゴ。ディエゴの弟子であるレイチェルは師匠を失い立場を危うくさせていた。姉レイチェルを助ける為に闇のミッションをこなす弟スタンレイ(ボルックス)。彼に課された新たなミッションは、史上最強の弟子、ケンイチの抹殺だった。
という展開です。36巻の達人による戦いで格闘マンガ(正しくは武術マンガでしょう)はこうでなくては!と思わせて気持ちを繋ぎ止め、今度は弟子同士による死闘で気持ちを盛り上げて行く。悪役=どこか壊れているという構図や、悪のイケメン低男性ホルモンキャラではなく、どちらかと言えば良識的で姉思いの筋骨隆々の弟が敵役というのはなかなか新しい。
姉さんの為(家族や愛の為)に戦うような奴はどっちにも正義があるんだ!的主人公のライバルキャラで、
人気取り丸出しのキャラデザインがハナにつくことが多いのですが、そういう安直さもなく良いですね。