シリーズアキバ

ネットは言論の地平という幻想

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ota2どうと言う事はありません。ネットは非現実だという指摘に対して怒り狂っていた人々は、ネットの現実性を理解していなかった。単にネットを否定する人間を否定し返していただけです。本サイトのアクセス履歴を見れば一目瞭然。オタクにとって都合の悪い事を書くと、途端にアクセス数が落ちるんですから。


「ネットは非現実。それに身を委ねるなんてどうかしている!」
と、いう発言に対して、ネットだって現実だろう。その箱の前に座っているのが人間である以上。
といった発言を数年前から繰り返してきました。これに賛同してくださった方も居りましたし、同様の考え方をしている方が多数見受けられた。しかし、見受けられただけで本質的に彼らと私は考え方が違っていました。

彼らは条件反射的に気に入らない物に対して否定していただけで、ネットが現実の物だという認識を持っているわけではなかった。言論の地平、誰もが発言でき、誰もが中立公正で居られる最も先進的な世界。その世界の住人が自分達である。という自負の中で結束していたように見えていたのですが、結局は本当にそう思っていたのは2000年頃からネットを使っていた人間の中でもごく一部だけでした。

結局は、「自分にとって心地良い事」にしか興味が無いのです。
特にネットの恐ろしさは、実際に結びついているわけでもないので、気に入らない事を言い出したら、チューインガムのように捨ててしまえるという点。私も知のフロンティアだと思って多くの人とネットを使い、対話し、中には実際にお会いした事もあるのですが、その7割以上は結局袂を分かちました。その原因は私にあります。私が彼らの機嫌を取らなかったからです。

「おかしい事をおかしい」と言えるのがネットであって、その世界で今までとは違うルールで生きているからこそ我々は優れているんだ!という選民意識がありましたが、どうやらそこにあったのは意識だけでした。「それはどうかな?」と言われて受け入れられる度量のある方以外は皆、雨龍は駄目だと無言で切り捨てていきました。彼らは彼らだけでグループを結成し、彼らの中だけで通用するルールで生きています。

私の「ネットは現実」という考え方と、彼らのそれが違うと言うのはここにあります。
私は、ネットは現実と同じで、どちらも同じ人間である以上結局は現実のルールに縛られかねない。そこをどう崩して行くかが問題であるし、崩せている。また、そういった今までのルールに縛られない「自由」がネットにはあると思っていましたが、彼らの認識はそこまででなく、単にネットは自身を大きく変身させ、好き勝手に物事を言え、それを認めない人間を気ままに攻撃できる「自由」を求めていた。

いわば、愚連隊の自由です。勝手とも言えます。ネットを非現実として扱っているにもかかわらず、バーチャル、無意味、無味と言われるとカッとして「現実だっつーの!」と噛み付く。無責任に当り散らす。そして、自分達に都合の良いハナシだけをネット以外の現実同様に取捨選択して耳に入れ、都合の悪いハナシは無視か、匿名性を利用して「ネット言論の自由(勝手)」を盾に大暴れをする。

冒頭にもお話しましたが、「何とオタクは素晴らしいのでしょう!」という日記を2~3回ほど書けば、多くのニュース、子、孫ニュースサイトに貼られ、凄まじい数の訪問者がある。しかし、オタクは何ともまあ、残念な…と書くと、誰も来ない。来ても殺人予告をカマすような連中ばかりです。

全くもって情けない。5年ほど前から知っている人で、互いに忌憚無く意見を述べ合えるのは全て年上。20代後半~30代の方ばかり。ネット利用者の中でも古株で、人間的に度量の大きな方のみです。これは偶然の一致なのでしょうか。言論の地平と言いながら、結局は優れた人間を妬み、社会的に貶め、存在を消してやりたいという薄汚い連中の工作現場でしかないのでは。

ネットではハンドルネームを持つ事ができます。そのハンドルネームとは、当然自分の名前であるわけで、雨龍なら雨龍というキャラクターを演じる事となります。時と場所によってハンドルネームを使い分ければ、その数だけ貴方の分身が生まれ、彼らに変身する事が出来る。その変身が問題で、実際の自分ではない遥かに優れた自分を作り出し、あたかも白昼夢のように振る舞い、他者を貶める。

冗談交じりで聞いたのですが、「魚沼産コシヒカリは実際の流通量は至上にある物の数十分の一だそうだ」と知識をひけらかしたところ、「そんな事は大した問題じゃあない。ネット上の高学歴、高身長、高収入は実際の100倍は居るだろうから」などと返され、「なりたい自分」になってしまう人間がきっと多いのだなと、ネットを見ている限りでは思うわけです。

ネット上に居る限り、あらゆる存在を非難出来る神にも等しい存在に自分をしてしまう人間が非常に多いのです。そしてそれを指摘する人間も居ない。指摘できるような人間は、そんな争いには参加しませんし、指摘したところで「この低学歴が!」などと罵倒されて嫌な気持ちになるのは目に見えているからです。

世界で一番優れた人間よりも優れた世界一の人間」がネット上にはどれほど居るでしょうか。
最近では「名人様」と呼ばれるんだそうですね。名人ではなく、名人様と。
名人よりも上手いらしい、凄いらしいから敬称が付いているのでしょうか。
なかなか小洒落た皮肉ですね。

改めてここで明確にしておきたいのが、他人の意見を軽んじることは、自身の意見も打ち捨てられる可能性があるということ。それを無視して他人を非難し、自身の価値を認めない人間を見下し、仲間内だけで悶々と過ごす。醸成されたその妄想から生まれたナマクラ刀で世間を斬って見せ、悦に入るなんてとんでもない。

かつて社会の公器と言われた新聞にも劣る最低の言論機関です。
「俺(達)のルールではこうだから」と言われて、ハイそうですかと言えるものか。
同じように相手にも「俺ルール」でつき返されるに決まってる。

全体的に幼くなった印象を受けますね。ハラが立っても相手の話しをとりあえず聞いてみる。ということをする人が相対的に減ったのではないでしょうか。ネットは現実なのですから、現実で立派な人の数が決まっているように、ネットでも同数しか居ないはずなんです。それを理解せず、魚沼産コシヒカリのように立派な人が今日もどこかで増えている。それがこのネットの価値を下げ続けているのだと思います。

某企業や教授、金持ちなどにまとわりついて、特段の理由も無く辛辣、悪辣な言葉で攻め立てる。
これが言論の地平だと言うのなら、地平線の向こうへ沈んでしまえ。

本当の意味でのネット言論の夜明けはいつ来るんでしょうかね。

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