釣りなのか、はたまたネタなのか。昨日の緊急地震速報で会社が潰れるかもと訴えた
スレ主が現れたようです。私のまわりでも、昨日は緊急地震速報の影響でストップし
た工場機械の点検を遅くまでやった、納期の関係でお盆を1日返上することになった
という方もおられ、つまらないネタスレだと一笑に伏すわけにはいきませんでした。
しかし、ネットではこの不運(という一言では片付けられませんが)な方に対し、辛
辣な言葉が投げかけられたのです。
昨日は誤報でしたが、緊急地震速報当時、皆さんは何をしていましたか?私は車での
移動中で、ABCラジオで甲子園を聞いていたのですが、兵動大樹さんのラジオCM中に
けたたましい音がなりはじめたので、関西特有の悪ふざけかんと思っていたのですが…
ほぼ同時にマナーモードのiPhoneから流れ出す警告音、奈良で震度7、10秒後の表記。
いかにして津波から逃げるかを考え、現場で働いている人間に事故はないかと心配し
ていた次第。阪神大震災、東日本大震災を味わっているだけに、落ち着きながらも慌
てている、不思議な感覚でした。
大きな工場などでは作業の停止を命じられたでしょうし、小さいところでは「すわ、
一大事!」となったのではないかと思います。その結果として工期や納期が遅れるの
は、天変地異や予測不能な事故であって、致し方ないこと(免責事項の範囲)だと思
うのですが、ネットではまるで聞き入れられることもなく、
「誤報で潰れるような会社は、今のうちに潰れておいたほうがいい」
「災害を計算に入れて納期を組まない方が悪い」
といった、血も涙もない意見ばかり。リスク管理ができていないという御旗の元に、
絶望的な状況にある人間を叩いて喜ぶ。彼らは結局、正義や社会秩序、常識を守るた
めではなく、正義の味方面して弱い者、叩ける者を探しているだけなんですね。今の
ネットの息苦しさはここにあるのだと思います。
リスク管理といいますが、どこまでリスクを管理すればいいのか。伝染病で社員の半
数が死ぬことを想定して、倍の人間を雇っておくのか。隕石が直撃して工場がなくな
ることを想定し、もう一ヶ所工場を設けるのか。プレデターが襲撃してきたときに備
えて、職員にシュワちゃんを雇っておくのか。こういったジョークはよく聞かれ、実
際に議論もされています。しかし、結論はいつも「社会通念上」適切な範囲でリスク
を管理することとされてしまうんですね。これはもう、現行法との兼ね合いになりま
すから、民法が社会通念を重んじる以上、どうしても踏み込んだ意識の共有はできな
いんです。
社会人として勤めた経験がない、管理職としての経験がないからこそ、リスク管理が
できていないという言葉が出てくるのだと思いますが、ネットにおいてはこのような
人物が大半を占めているわけで、これが世論となった日にはどうなることかと、取り
越し苦労かとは思いますが、生き辛さを感じずにはいられませんね。