自分の主義や主張というものに反していても、それらの知識を得ておく事は、批判や非難以前に自分の主義、主張を磨き上げるために必要なことです。嫌いな本は買わない、読まないなんてのは、論客として失格なんですが・・・世の中そんなに上手く出来てなくて。
編集者は要らない、出版社は要らない!
と豪語されているので、その著作を1100円+税でもって購入。
開いてみると衝撃的でした。
編集者が要らないというだけあって、素晴らしい文才。
「その大半がほぼ100%…である」
みたいな部分が出てきます。
「頭痛が痛い」の親玉のようです。
書籍の内容は、電子書籍が全てを駆逐していき、悪しき出版社から世界は救われるという妄想の根拠として、ネット上に転がっている情報を切り貼りした物でした。
日本語も不自由、英語を無理矢理カタカナにして格好を付けるのも嫌みったらしく野暮ったい。内容も極めて下らなく、私からすれば、こんな本が野放しになるかも知れないから、出来る限り電子書籍でも編集者を通して欲しいと訴えているわけです。
こんな内容の本を出すということで、きっとこの本の編集者は悩んだのではないでしょうか。編集者は中間搾取でもって腹回りを肥やす豚のような扱いをされているために、手を抜いたのかもしれません。または、編集者や出版社の介入を一切拒否したのかもしれない。
そうすると、こんな悪書が出てくるわけです。自分では良いと思っても、全然大したことがない物もあれば、他の人にその作品の良さを指摘されて価値に気がつくこともあります。外人に日本文化の良さを教わるようにです。(この本の中で出てくる例えは本当に理解に苦しむ物ばかりで、例えたばかりに意味が通らないという酷さ。すっきりした例えを考えられないものか)
小難しい言葉、聞きなれない単語を持ち出して、今の若い人間に取り入ってメシを食ってやろうという姿勢がありありと見え、紙面を凝視出来ませんでした。ゴチャゴチャと言うのであれば、なぜこの本を「紙」で発売したのか。酷く矛盾して居るではないか。内容もあっちに行ったりこっちに行ったり。まともな構成(校正)がかかったとは思えない。一太郎か何かで文章を読み込ませ、妙なところだけちょちょいと直したか。
良い本を提供するための変革を求めるということには同意する。しかし、この本自体が悪書であり、著者が口を開く度に変革の価値が疑問視されていく。こういったエセ天才作家が跋扈することに多くの業界関係者は恐怖しているわけだが、どうやらご本人が理解されていないようだ。
一つ勉強になった。こんな本だけは作るまい。
新人編集者としての授業料と思い、1100円+税については忘れよう。
【まとめ】
衝撃なのは内容の酷さでした。 △ちゅうい!
本はこのように崩壊するんだと「ゆうこと」が理解できました。
ありがとう。ささきせんせい。
「ゆうこと」ではなく「いうこと」です。もういちどきょうかしょをよんでたしかめましょう。