オタクという集団へのバッシングと今回の事件で生まれているパキスタン人並びにイスラム教徒へのバッシングや差別は規模さえ違えど、同様の側面を有しているように思います。自分とは違う集団を十把まとめて一絡げにし、罪なき人々までを犯罪者(予備軍)扱いしていますからね。
ヒースロー空港でテロが未然に阻止された。イギリス警察は何かとテロとの戦いで不祥事を起こしていますが、今回はお手柄だったと素直に言ってもいいでしょう。
しかし、問題なのはそれによる差別が発生し、その差別を黙認しようとすること。問題が発生するのを阻止するには原因を摘み取ることが最も有効かつ唯一の手段です。今回の話でいけば、イスラム過激派テロ組織の人間を飛行機に乗せない事や、飲料水などの容器にカモフラージュした爆発物を持ち込ませない事がその手段でしょう。
そこで、イギリス国民はさらに話を進めて、イスラム教信者を国内から叩き出すことや、パキスタン人(中東・アラブ系の人間)を弾圧しようとします。確かにイスラム教の信者を全て追放すればテロは起きなくなるかも知れない。勿論起きなくならないかもしれない。何の罪も無い人間をある集団に属しているというだけで仔細に拘泥せず弾圧するのはいかがなものか。心情としては痛いほど分かりますけども。
これと同じ事がオタクバッシングにも用いられている。監禁時事件や幼児誘拐事件、猟奇殺人などが起こるたびオタクを疑おうとする。罪を犯したオタクと犯していないオタクは別個として扱うべきなのはいうまでもない。しかし現状はそうなっていない。
パキスタン人はテロリストだ!などというのは、一国の人口全てを犯罪者とみなす愚かしい行為である。日本人がテロを計画したとしよう。世界各国から日本人はテロリストだという烙印が押される。ほぼ100%の日本人がテロリストではないのにも関わらず。地域から地区、地方、国家・・・あらゆる大きさの枠組みでレッテル貼りが行われ、その規模は巨大化しつつあります。
グローバル化社会を通り越し、全宇宙化社会が到来したときも同じ事を言うのだろうか。○○星人は犯罪者だと。