美輪さんをお迎えしての番組。コミケの創設者死去のニュースです。美輪さんは日本特有の文化として「愛くるしさ」があり、それは諸外国にはないものだと発言。また、鳥獣戯画(要約すると、カエルなどを擬人化した日本最古のマンガで2chの扉にも用いられていた)を引き合いに出してマンガ文化の古さを強調されました。
美輪さんの発言までなら日本のマンガがなぜ世界でウケるのか。日本のマンガの起源の古さが日本のマンガを世界一たらしめているのだ。というマンガ史の講義で済んでいたんですが、この後です。
喜ばしそうに語る面々。マンガが世界に誇れるものであること、自慢できるものであることを再確認しての表情です。しかし、マンガはあなた方の文化でしょうか?私は違う気がします。
日本の文化を外国からお越しになった方に紹介する際、何を紹介しますか?食文化ですか?仮に寿司やすき焼きだとしたら我々もたまには食していますので、自分たちの文化と言うことができますよね。では能や歌舞伎はどうでしょう?私達はそんなもの学んだことも無いのに紹介しませんかね?
未体験の文化をさも自分のもののように勘違いしてしまうという現象が起こっているといえますね。自分の友人が有名人になったりすると自分の価値も上がったような感覚や、家族が誉められると、自分も誉められたような気分になる感覚と近しい気がします。
ですが今回はそれも許しましょう。問題なのは、普段散々「犯罪の温床」として邪険に扱っている文化を誉められたときだけ自分のものにするという思考回路です。普段・・・つまり、犯罪の温床と目されている時は、自分はオタクじゃないし、オタク文化なんて知らない健常者だ。とばかりに振舞っているのに、一度誉められるとこうです。
以前にオタ文化の灰汁抜き、毒抜きがされていると言いましたが、それもオタ文化によって誉められる快感を全身で享受したいからなのかもしれませんね。この矛盾に彼らは気づいていません。気付く気もないでしょう。こうして大衆化され、灰汁の部分だけ押し付けられるのであれば、「御免こうむる」と明確に意思を表明しなければなりませんね。