大相撲は面白くなくなった。品格が失われた。と、耳にしませんか。私はあの意見に反対です。反対の理由は後々記すとしまして、かつては「八百長」ではないかという相撲が横行していた。八百長は、力士の個人的判断で行われているかのような論調が多いのですが、私はそれも解せません。これについても別の機会に付記します。
・土俵上で睨み合うなんて信じられない。品格が問われる
・モンゴル勢に蹂躙されて、日本の国技としての価値が失われた
・横綱に勝った相手が大関なのに座布団を投げるなんて…
・大関が引き、はたき、変化なんて汚い事をするな(昔は無かった)
・大関が休場、横綱が休場、最近は根性が足りてない
・魁皇は土俵際で諦めが早くなった、小手投げが酷い(破壊投げ)
他、多数。
結論として、「最近の相撲は面白くなくなった」とくる。結論ありきで語るんですよね。自称相撲通とやらは。今の関脇が誰かも知らないのに、何が相撲通やねんと。まあ、横綱が問題を起こしているのは事実で、大麻問題等ありましたが、そういった論調に乗じてアンチが持論を強化しているだけですね。最近の相撲はつまらないと。別個に考えるべきです。
では、順番に答えましょう。
土俵上で睨み合う、最後の仕切りで塩に分かれる際、相手の目を見る行為。モンゴル人の「朝青龍」がやっているから気に入らないだけでしょ?そんなのは、貴乃花もやっていた。(理事選頑張ってください)
モンゴル勢に蹂躙という表現はおかしい。ハワイ勢が蹂躙してたじゃないですか。横綱が全て居なくなった際に最初に横綱になったのは曙です。その後、大関の貴乃花(当時は貴ノ花?)が横綱になるまでは日本人が綱を張っていなかった。当時の事を覚えていない、もすきは美化しているのは、「ハワイ勢」を色黒の悪人面をした巨漢という風体から日本の敵、小よく大を制せ!という、プロレスのヒール扱いしたがため。人間の良識的な側面から言えば、こちらの方が圧倒的に「どうかしている」のではないか。
今度は肌も、体格も、顔つきも日本人に近いから、こういったプロレス興行的な売り方がしにくいんでしょ?国技のプライド自体が失われていた、最も下卑た時代だと思いますがね。それと、当時の力士の実力、評価とは全く別。これを論拠に当時の力士を弱いだのとか言って愚弄するつもりはありません。念のため。
また、横綱に大関が勝って座布団が飛ぶというのも昔からです。そんな記憶力でよくもまあ、相撲の生き字引みたいなツラが出来ますね。
大関の引き、はたきなんて普通でしょう。常にやられてきたじゃないですか。
根性が足りない、壊れ易過ぎるなどと言いますが、あなた方が大好きな「ヒーロー側」の貴乃花なんて7場所連続で休場してるじゃないですか。それについては「日本人」だから責めないので?それとも、とにかく今の角界を叩ければ何でもいいんでしょうか。状態が悪くても真面目にカド番でも勤めに来るだけ横綱、大関を誉めてやるくらいの度量が欲しい。また、魁皇の幕内勝利数を馬鹿にする人間が居るが、急速に衰えが来る力士が多い中で、生涯現役でやり続けて居られるのだから、長く取っているだけでも評価出来るのではないか。
小手投げやとったりが多過ぎる、諦めが早いというのも最近始まったことではなく、かつての相撲からそうでした。先場所横綱白鵬にとったり気味に腕を掴んで振った際、散々叩いた人間が居ますが、そんなの昔からです。
【昔の相撲の方が面白かったと言う人達】
そりゃあ、昔の方が興行として面白かったでしょうね。そういう作りでしたし。
また、力士の大型化が進む以前の小兵力士はちょこまかと動き回り、土俵内をあちこち移動し、続けていました。いわば、軽量級の試合です。今は力士の大型化が進んだ結果、ガッチリと土俵の真ん中で組み止めて投げ飛ばしたりといった相撲が多くなりました。
ジュニアヘビー級のレスラーが繰り出すルチャリブレに慣れた人間が、スーパーヘビー級の鈍重なパワーファイターを見て、こんなもんプロレスじゃねえ!つまらん!
と言っているようなもの。ニーズに合わせて脚色された、なんちゃって国技を喜び、力と力の比べ合いを下らないと評する。なんとも間抜けな話です。力士という以上、力を出し合うものでしょう。あっちへ行ったりこっちへ行ったりする相撲が減っただけでつまらないだなんて、思慮を欠いているとしか思えない。好みの問題に終始する程度ですし。
また、それだけ横綱が強いと言う事です。ちょこまかしなくても良い。日本人力士ではどうにもならないほどに横綱が強い、歴代最高に強い可能性だってあるんですから。それを考慮せずに、今の日本人(力士)は根性が足りないなんて言ってくれるなと思う。益々新弟子が減りますよ。こんな風潮では。
まあ、国技、儀式と言っておきながら、ナショナリズムや似非正義感の捌け口として見てきたジジイ共にはつまらないんでしょうねェ。まあ、日本人力士の台頭が見られない事については残念に思いますが、それは相撲が面白くないから。国籍でどうこうってものじゃない。ふがいない力士ばかり。自分より下の力士相手に部屋の中で稽古なんてしやがって!くらい言えばいいものを。そんな批判を出来る知識も無く、ただ何となく昔の方が良いという。
こういった老害を追い出すことこそ「国技」として存続させる鍵かもしれません。
ジジイ共が悲観的な論調を繰り返し続ければ、若者が興味を持つわけが無い。
寄る年波と台所事情だけ心配していればいいものを。