殆どの本って1000~3000部しか売れんのですよ。これでもマスメディアと呼ばれている。 今、電子書籍で出版社とマスコミは全て死滅させられる! 我々のフロンティア!! という論調が蔓延しているが、彼らはマスメディアの言葉の重さを知らない。
というか、このマスメディアという世界に入れなかった敗残兵。その敗戦の将が今更何をとも思う。マスメディアが崩壊した場合のリスクは分かっているのだろうか。
また、彼らはマスメディアに属していた人間が、テレビや新聞、出版社が総崩れになると同時に天寿を全うすると思っているらしい。つまり、会社が無くなれば、人材は全員死ぬと。アリやゴキブリじゃねーんだから。巣ごと駆逐はできないよ。
どうなるか少し考えてみてください。言葉、文章、取材力…様々な面で日々スキルを磨き上げた連中が、巣を追われたら何をするか。当然、自分で何かを作り始めます。彼らは経験者。ズブの素人など相手になるはずも無い。むしろ、マスコミがあるおかげで、電子書籍にパンピーが入っていけると思うべきではないだろうか。エリート共が雪崩をうってやってきたら、敗残兵のやれることなど何もなくなるぞ。
自費出版に毛が生えたような、ブログの友達みたいな内容を、金とって読ませる。
それがどれほど難しいことか考えられないような頭だから、アンタの本は世に出ない。
1冊の本を読者に届けるまでに、作家、ライター、校閲者、編集、営業、取次、書店員ととんでもない数の人間が携わる。彼らが懸命に日々戦い抜いて、商品を作り、売っているのに対し、どこの馬の骨かも分からん人間が、適当に書いた物が数万、数十万も売れると考えているのが驚きだ。
いいですか、もう一度言います。
マスコミが死んだら、そこに巣食っていた連中がクモの子を散らすように世の中に溢れる。彼らは多かれ少なかれ情報の番人だったり、エリートです。彼らが電子書籍を作ったり、Webを活かして情報を発信しだしたら、あなたの著作など見向きもされなくなるでしょう。
今の時代、ネットで何でも無料なんです。なんであなたの本に金を出さなきゃならんのです?その句集や半世紀集を読んで何になるんですか。あなたが考えるようなことは、とっくにだれかがやってます。国会図書館のページなりアマゾンなりで本を検索してみてください。驚くほど多様な著作が溢れかえり、そもそもあなたが本を知らなかった事に気付かされるでしょう。
僅か1000~3000でもマスメディアと呼ばれる言葉の重さを知ることになります。
売れる数が10や20で愕然とすることになります。
何十、何百時間かけてもそんなもんです。
何でこんな物を作ったのか、何で生きているのか?
なんて思わないように、よくよく自己分析を行ってから参入しましょう。
才能溢れる人間の著作は是非是非刊行すべきです。
私はアンチ電子書籍でも、素人を見下したいわけでもありません。
冷静になってくれと。こう言いたいのです。