私もかつて、月の労働時間は400時間をゆうに超えておりました。
時給換算すれば、400~450円程度。編集者は地獄の日々。
結果として2カ所の胃潰瘍と狭心症、鬱病等々、様々な箇所に故障を抱え、
勤め人としての編集者の道を諦めた次第です。
給料は医療費と療養費で吹っ飛んだようなものでしたね。
それを上回る薄給とも聞くアニメーター。
このニュースを聞くたびに、方々で様々な意見が書き込まれます。
アニメーターの仕事が激務なのはわかりますし、
監督署に訴えるのも理解できます。当然の権利です。
ただ、この現状を見て、「アニメ文化を守るために国から補助があって然るべき」
などという方はいけません。
かわいそうな人を見たら、すぐに国が、政府が、税金がという方。
国や政府はびた一文持ってないのです。
お金を持ってるのは働いて税金を納めている国民。
人様の財布に手を突っ込んで金をむしって行くわけです。
簡単にいえば泥棒です。国はそういう行為を抑止するための装置のはずなのに。
警察や軍隊、法律というものは、国民と国民の経済活動を守るためにあり、
それを侵害する様々な行為、または道路等の公共性の高いものをつくるために国が
あるのです。それ以外のことに首を突っ込みだすと、ロクなことになりません。
それをつきつめたのが、共産主義、社会主義なのですが、
どうにも日本人は親方日の丸が大好きで、困ったらすぐに国のせいにし、
国に救済を求めます。
そもそも自然発生した文化などに国が首を突っ込むことがおかしいのであって、
ここは行政による徹底した労働環境の健全化で手を打つべきところです。
結果としてアニメの本数が減ったとしてもいいじゃないですか。
それが正しい在り方なのです。
でも、消費者はそれを許しません。アニメーターかわいそうと言った同じ口で、
アニメ減らしてんじゃねえぞ、作画が汚いぞというわけです。
なんとも困ったもの。
自分は痛みやリスクを負いたくないが、苦しんでいる人は助けろなんてファンタジー、
アニメの世界にしかないんですよ。