チケット転売を終わらせる方法はとても簡単
チケットの転売問題が取りざたされてかなりの時間が経ちますが、一向に解決しないようですね。顔認証だとかなんとかいっていますが、どうしてそんな面倒なことをするのかと思うわけです。人気のイベントがある。それに転売価格をだしてもいいという客がいる。ならば、胴元である興行主が、オークション形式で売ればいいんです。500万円でもなんでも、プラチナチケットにしてしまえばいい。これで問題解決です。彼らは「転売ではアーティストに還元されない」などと知った風なことをいっておりますが、これなら還元されるでしょう。これでこの話題はおしまいです。しかし、そうはなりません。
リスクを避けて、表面を取り繕う興行主たち
業界は音楽なら音楽、イベントならイベントで、ファンとの良好な関係を維持したいというわけですが、これはどう考えても矛盾しています。商売として成立させてしまっている以上、それは口先だけの方便で、儲けたいのは間違いない。なのに、表面的に耳障りのいい言葉を投げかけて、ファンの心を掴んでおこうと躍起です。
私だって、値段の釣り上げ行為とも思えるような公式オークションを手放しに応援する気にはなれません。拝金主義だなと思うところはあります。しかしながら、浅知恵を発揮して本心を隠し、商売をすることのほうがずっと悪どい。オークションにすると私のように拝金主義者め!と感じるファンが離れることを恐れているんでしょうが、そういうリスクを取らず、安定的に利益をあげようとしている時点で経営判断上の悪がある。公演回数をもっと増やしたり、なんらかの手はあるはずなのに、アーティストの価値を高止まりさせながら、リスクだけ廃して、ファンを守れなどと気勢をあげて転売業者を叩く。間接的マッチポンプですよ。こんなもの。やるべきことをせず「正義の味方」を演出しているのがどうにも気に入らないんです。
こういう指摘をすると、年少のファンを獲得、育成する意味でも〜などという業界人っぽい人が出てくるわけですが、だったらファンクラブ限定で18歳未満の人間に割り当てて売ればいいんです。この場合も当然オークションで。なぜって? それはもちろん、お金持ちの子どもや、熱狂的ファン予備軍の子どものほうが長期的なファン育成という面では美味しいでしょう? つまるところ、金づるが欲しいっていっているんですから、ここでも子どもをダシにして正義ヅラしちゃいけません。お金持ちの子どもはずっとファンでいてくれる限り、大人になってもプラチナチケットをバンバン買うわけですから、あなたがたにとって最高のファンのはずです。
チケット転売反対!の精神論
さて、ここまで徹底して経済原則で反論を叩きのめしていくと、最後に出てくるのが精神論です。本当に好きなファンを追放して、一体何がアーティスト、スポーツ選手か! 金だけ持っているクズと、熱狂的なファンを同列に語るな! あたりの反論ですね。当然予想される範囲です。
これ、まったく意味がない話なんですよね。「熱意があれば、本当に好きなら、高い金を出すという人間よりも優先されるべきだ」というルールは、なんだか世間に受け入れられてしまいますけど、冷静に見ればヤケクソです。「俺はこんなにお前を愛しているのに、そんな男とくっつくのか。死ね!」と同列の思考回路といいますか。きもちの大小など一体どうやってはかるんでしょうか。はかれないから、お金に替えているのでは。「僕はこんなに漫画が好きなのに、漫画◯でタダで読むのは罪だという!」の親戚ですね。私は好きな作家の単行本が1冊3000円でも買います。平気です。週刊連載9〜10本で3000円。お得なくらいでしょう。どうせ私には描けないんですから、本の価値は事実上無限です。それを売ってくれるんですよ。しかも3000円で。実際の単行本は500円くらいですよね。これはもう慈善事業、チャリティです。本当にありがたい。
世間がこう考えるようになれば、コンテンツの価値が認められて、絵の描ける人や文章が上手い人に、タダで書けっていう人も減るんじゃないかなぁ、なんて思っていたりするわけですが、それはまた別の話ですかね。
チケット転売問題の解決:チャリティで売ってみては?
チャリティの話題が出たのでここでひとつ。私は好きな作家の漫画なら、3000円でも買うといいました。でも、3000円となると、小学生のお小遣いでは厳しい。ましてや、3000円で買える大人が、5000円で転売しはじめると手がつけられない。「そんなアコギなことすんなよな」と思いますが、総数が減るとどうしてもプレミアがつきます。そこで、個人を紐付けしたうえでチャリティ方式にする。そして、収支を完全公開にする。私の会社は収支完全公開です。もちろん、世間様には見せませんが(見せて恥ずかしくないような大企業になったら、ネットで全部見せたいとは思っていますけど……まあ……ね)、社員や会社が何にどれだけ使い、誰の給料がいくらかもわかります。これで言い逃れもありません。事前にアーティストがいくら受け取るかも公開しておきます。で、余剰の収益金はこういうことに使いますといっておくわけです。そこから、オークションスタート。ファンはお金を積めば積むほど、アーティストに還元されて、世の中に還元されます。
この方式が浸透すれば、もう逃げも隠れもできません。興行主やアーティストたちは、ファンの味方です! などといった耳障りのよい甘言で顧客を騙せなくなる。チャリティにしないということは、つまりはやっぱり、拝金主義者だとバレるからだ! また、オークションなので、本当のアーティストの価値が価格として出てしまう! 「なあんだ、このアーティストの価値は程度なのか」なんて思われたら大火傷かもしれない。わけのわからんディナーショーで、ワンドリンク10万円とかいっている歌謡界の大御所とやらは膝から崩れ落ちるかもしれない。ファンのためにやっていると二度と口にするな! ってなもんで。
なかなかいい手だと思うんですが、どうでしょう。
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