アキバって儲かるんでしょ?とか言われる事があったので、久々にまとも(?)な記事を書いてみました。結構長いのでお暇なときに酒でも傾けながらチビチビ読むのがいいでしょう。
アキバしらねえバカが手ぇ出して儲かるわけが無いだろ!今のアキバの利用者状況とか知ってるのかねえ。土日は6割一般人だろうに。メイドに土産。オタク心をくすぐる云々…ふざけるな!!と、怒りの声も聞こえてきそうな最近の秋葉原周辺産業。結局儲かってるところは、一般人相手と割り切ったところか、ネタとして面白いボーダーを超えているか、完全にオタ向けか。このどれかでしょう。
一般人向けってのはライト風俗系及び観光名所的な店舗。
ネタ系ってのは、ラオックスとかが出してるローゼン閣下カステラ。
完全オタ向けってのは、分かってる製品開発部が作った物。
コミケでもえたんのお菓子が売ってましたけど、アレだって結局は、POP先生の絵でオタを釣る言葉は悪いですが、絶望先生風に言えば「大人騙し」でしかない。それでも私はPOP先生ファンなので、アキバで見かければ買います。そういう背景があったとしても、それ自体の質がよければ私は買います。商品と開発は別次元の問題でしょ?そんな坊主憎けりゃ袈裟まで的発想はガキっぽい。大人なら割り切るべきです。もっと言えば、フィギュアもアニメも何でも「萌え=大人騙し」なんですよ。私は分かってて消費してるんで別にいいんですが、この分かってても買ってしまうという消費行動を、分かってない奴らは起こせない。
半端モンがとってつけて描いたような…消費しつくされたような陳腐なメイドの絵とか貼り付けたところでオタが買うのかね?そんなのを買うのは一般人。で、一般人相手に安定した収益なんてあるわけがない。元々彼らが金を落とすのは、食事ぐらいなんですから。
人文地理学の観光地理学ではよく言われている事なんですよ。観光業が街を破壊すると。観光業で町興しって言ってる地方自治体って結構ありますよね?でもアレってノープランの現われだったりするんですよ。人がたくさん来れば、金が儲かるって思ってる。それがそもそも違うわけです。更に、観光する側とされる側で力関係が形成される。物見遊山って、上から見てやる側と、見てくださいと言う側に分かれるんですよ。これも70年代の欧州では話題になった地理学のキーターム。上下関係なんて1回作っちゃうと人間と同じで固定されてしまうんですけど、いいんですかねぇ。
人が来れば維持費がかかる。更に人が来るように仕向けないといけない(リピーター含む)。そこで金をどう落とさせるか考えなければならない。ここを全然頭に入れてない。アキバに来る観光客は大概一般人です。彼らが来て儲かるのは鉄道会社と宿泊施設、飯屋ぐらいのモンでしょう。
地方都市の観光研究とか見てるとよく出くわす現象なんですよ。これは。例えば、埼玉の川越。ここは、古い町並みや蔵を残していく運動をしています。儲かっているかどうかは別として、川越を見に行った人は川越に泊まるんでしょうか?地方から来た人は新宿とか池袋とかに泊まって、東京見物とセットで行くというパターンが多いのでは?それに、街並みを見るだけならタダなんですよ。また、川越に泊まってもチェーンのホテルだったらどうでしょう。地元企業は何にも儲かってません。儲けは東京の本社に吸い上げられます。もし牛丼やバーガーショップ、コンビニで食事をしてしまったら…?
つまりはこういう事なんですよ。単純なれども思いつかない。
加えて、今のこの状況がビジネスチャンスに見えてる人間は大抵考えが甘い。継続発展可能な事業ではないんですから。花から花へと飛び回り、甘い汁をすすって行く自信があるなら別ですが、そんな即効性のあるビジネスプランでも持ってない限り、何にも知らない人間がぽっと出で稼げるわけが無い。そして、そんなプランがある人間は、腰を据えて商売をすればもっと稼げるでしょうしね。
観光で稼ぐ流れになったらイヨイヨだと思ってくださって結構です。見るだけならタダ。どうやって稼ぐんでしょうね。最近コスプレした人がデートとか、街案内とかしてくれるって話ですけど、何度も言いますが、アキバに来る人の構成とか知ってるんでしょうか?こんな商売をしようと思いつく時点で調査不足&常識が無いとしか…。いや、別にメイドとデートするなんてけしからん!なんて言うつもりはないです。ただ、儲かんないでしょ?と。
アキバに来る人間の主要な部分は恐らくこうです。
①オタク
②若者
③家族連れ
何を今更感がバリバリですね。まあ、しばしお待ちを。
①は我々です。DQNオタなどの亜種も居ますが、それは①と②の中間と認識しましょう。我々はメイドとデートだYAHOOOOO!とか、街がわかんないんで案内してくれ!なんて言いません。食費もケチる大馬鹿者である我々のサイフは、目的以外でそうそう開かない。交通費と食料と飲料水程度。で、我々が店の場所を把握もせずに秋葉原に来るわけがない!初見の店に入るのは何となく未だにコワイ私が言うんですから間違いない!w
オタは、皆十分に下調べをして来ると思いますが…。
②はまんまです。彼らは1人で街を歩くの?メイドと一緒に歩くの?大体仲間と一緒に来てワーキャーやるでしょうが。商売の相手にはなりえない。同様に、③もパパがいきなりカミさんの前で「俺メイドさんとデートしてくるわ!」ってなワケにはいかんでしょ。
色々書きましたが、結局何が言いたいかと言いますと、「水準に満たない人間が多すぎる」と、こう言いたいわけです。磨かれていない感性しか持ち合わせていないのに、ベンチャーだ大金持ちになるんだなどと夢を語り、出来損ないを乱発して街を汚す。言い過ぎかもしれませんがね。今後愚鈍な俗物がしゃしゃり出て来そうなんで。
「オタクなんて何でも絵を描いてたら買うんだろ?」みたいな人間を軽く見ている奴には絶対攻略不可能。
スク水着せときゃいいんじゃね?とか言ってた知り合いがいましたが、旧なのか新なのか、紺なのか白なのか、パイピングありなのかなしなのか…拘る人は拘ります。私もそうですし、皆さんもうるさい部分があるでしょう?(パイピングって何?と思った方は手元にネギま!があれば、アスナのスク水を探してみてください)
かの偉大なるアルビン・トフラーは、暴力、財力の次なる第3の力として「知識力」を提唱しました。そしてこれは最も優れた力であるとも言っています。知識すなわち情報があれば、暴力の衝突を回避することが出来、使用する財力を最小限にする他、情報さえあれば効果的に暴力や財力を利用する事が出来る。近代の戦争や、経済戦争を見れば分かります。特定の情報を知り過ぎていると不利を被る人間が出てくるからインサイダー取引は禁止されているんですから。
知識も持たずに戦場に立つんですか?操作法を知らずにゲーセンに行くようなもの。瞬殺されますよ。
一攫千金多いに結構。それだけバカ売れするって事は、オタにとっても相当に良い品であるという事ですから。しかし、現実はそうは問屋が卸さない。散々に荒らされ、残されたものが形骸化した秋葉原となる事を私は恐れているんです。