ここの所非常に強く感じる事。様々な作品に対して。
「奇をてらう」と言い、「意欲作である」と言うことで、出来損ないを勘弁してもらおうだとか、誰もやってなかったから価値があるだとか思っている輩が居る。 そういった連中への作法解説。ただし、そういった連中はこのような作法すら破壊しようとするので始末におえない。
確かに、誰もやっていない事をやるというのは価値のある行為だが、だからといって質の低いものを作り出した言い訳、免罪符にはならない。それらは、基本的な作品の品質を持っていた場合に上乗せされる「オリジナリティボーナス」である。
フィギュアスケートや体操の採点に似ている。4回転ジャンプをすれば10点だが、3回転だと7点だった場合、4回転に挑戦して失敗したのだから、3回転を成功したくらいの評価をくれ。というのはお門違いだと言う事。作り手も買い手もこれが理解出来ない。
「奇をてらう」という、誰もやっていなかった事が、
実は「誰もやろうとしなかった事」かもしれない。やったところで意味が無い、面白みが無い、価値が無い。そう判断されて捨て置かれたものを、鬼の首を獲ったようにやらかす姿は、捨て置いてきた先人達からすれば物笑いのタネだろう。
段階的に示せばこうだ。
1)そもそも王道以外の物を知らない、思いつかない
2)王道以外の物を知っており、王道では勝負できない
3)王道以外の物を知っているが、王道で勝負できる
4)王道でも勝負できるが、敢えて王道以外に挑む
4)の場合は地力が十分にあって、捨て置かれた物に対しても価値や意味を与えられるような優れた人間でなければ成功しない。今まで誰もやってこなかった物の長所、短所を十分に把握した上で「奇をてらう」場合のみ4)が成立する。力の無い人間の2)狙いは実に見苦しい。
王道である事を何故嫌うのか?
「ドラゴンボールはつまらん」「ワンピースはスイーツ(笑)向け」
などと吐き捨てる「中二病」患者なだけではないか。
王道の面白さ、そして王道のつまらなさを熟知した上で、非王道の価値を分析しなければ、王道であるものも理解出来ていないバカの狂乱でしかない。野球のルールを知らないのに、野球はつまらないだとか言うのと同じ事。物を知らん、ルール(定義)を知らんで、一体何が非王道(アンチテーゼ)か。
破壊、破戒はその対象がどのようなものであるか理解した者にしか行えない。無理解な連中の行う破壊工作は、単なる一般市民を巻き込んだテロ行為に過ぎない。一定の定義の元で完成されている世界をノープランで破壊されてはたまったものではない。ただ、作り手すら理解が不十分なのだから、買い手が理解出来ているはずもなく、物を知らない連中が破壊行為に価値を見出してしまう現状も合わせて指摘しておきたい。
そもそも、特段の根拠も無く王道が嫌いという時点で、
ルールブックをまともに読めない文盲なのだから、参加しないで頂きたいものだ。