アキバの変貌全てを萌えオタの責任としてしまおうという論調があります。今回は久々にアキバを取り巻く現象を、事実に基づいて考察してみました。
サトー無線、ナカウラ、ラオックス(アソビット)ロケットと、次々に秋葉原の電気店が閉店・移転していきます。これについて、萌えオタのせいで電気街秋葉原が駆逐されているのだ!今すぐアキバを取り戻せ!などと躍起になっている人が居ますが、ちょっと待ってください。それは事実でしょうか?
私の結論は、偽です。そもそも、萌えオタという人種が嫌いであるため、旧来のオタクが視野狭窄になっている。箸が転げても萌えオタが悪い。そう言いたいですし、事実だと思うほど病的に嫌っている。それでは正しく物事を推し量る事は出来ませんね。
私の仮説はこうです。
競争力の無い店舗が追い込まれていった為の、閉店ラッシュ
この仮説には、ちゃんとしたと言えるかどうか疑問ですけども、裏付けになり得る情報があります。
こちらをご覧下さい。
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これは、家電業界の統計集ですが、補足を加えますと、家電の価格決定権は現在、メーカーではなく大型家電量販店が握っています。ヤマダ電機で言いますと、業界の1割を超えるシェアを背景に、ウチの言い値で卸さないと家電を買う客の1割を失う事になるぞ。と言えるわけですね。
単純にいけば1割の業績悪化となるわけですから、メーカー側からすれば大打撃です。それはなんとしても避けたい。卸売価格10万円の品を小売希望価格8万円で卸そうとしても、ヤマダ電機が7万円と言ったら極端な話諦めねばならない。
こうなると、ヤマダ電機は他店より1万円安く仕入れられますから、価格競争力がダントツとなるわけですね。ヤマダに追随するグループとして、ビッグ・ヨドバシカメラがあります。ヨドバシカメラはヤマダに肉薄する利益率を誇り、人件費がズバ抜けて安い。また、商品回転力がヤマダの2倍で、圧倒的なのです。
収益面ではグループの大きさもあり、ヤマダに勝てないものの、徹底したコスト削減、駅前型店舗を活かしての回転力の高さで、競争力を非常有している企業であると言えます。(エディオンは家電量販店連合なので除きます)
ここで本題に戻ります。新作ゲームを買う際、ヨドバシのポイントを含めれば、他店(ゲーム専門店)と変わらないなんて事がありませんか?ゲーム機を買う際、ポイントを考えれば遥かに安いということがありませんか?(実際、10%のポイント還元でDS、Wiiを定価販売しています)
もうお分かりですね。価格競争で他店はヨドバシに及ばないのです。そうなると、どうなるか…店を畳むしかありません。ゲームソフトに10%ポイント還元をつけており、尚且つヨドバシより安いのは、ビッグカメラ傘下のソフマップ位です。
萌えオタのせいなどではなく、強大な兵力による大規模掃討作戦だったわけですね。家電業界再編の波は、いかにメーカーに圧力をかけるかの競争です。エディオンとビッグカメラ(ソフマップ)の資本提携もその一環です。背景に何も持たない量販店が敗れ去っていった。これが、真実であろうと私は考えます。